番外編 ページ19
彼女と私の知り合うきっかけは、『悪霊』だった。
去年の四月。
太「あー……部活かぁ〜。ヤダな〜やる気出ないな〜〜…」←
太宰の手には『入部届』と書かれた紙が握られている。
この学園は部活に入ることを重要視される。進学する者は必ず入っているだろう。
太宰は入部届を入手してから、一向に部活見学などせずに期限の一日前までぐうたらしているのだった。
彼の脳裏に少林寺拳法部とバスケ部の二つを兼部している憎き相棒の顔が過ぎる。彼は直ぐに入部したのだ。今日の彼は回し蹴りで板を蹴り砕いているに違いない。
織「どうした?もう皆部活か見学に行っているぞ?」
太「あ、織田作!部活動なんて興味ないし面倒だし…入りたくないのが本音だねえ」
グッと体を伸ばしながら太宰は答えた。
織「お前は背が高いし、バレー部なんか良いんじゃないか?」
太「織田作本気で言ってる?私があの地獄の如き練習についていけると思っているのかい?」←
織「ふむ…なら、美術部は?絵も熟せるだろう?」
太「描いてもいいけど私の場合、キュビズムみたいになっちゃうからパス」←
織「調理部……は、駄目だな。安吾に怒られる」←
太「えっ?」←
織「数学部」
太「顧問国木田先生だからパス、絶対煩いもの」←
織「吹奏楽部は?」
太「毎日部活とかやるくらいなら首吊って自○頑張るね」←
織「バスケ部」
太「やだよ、なんで蛞蝓が居る部活に入らなきゃいけないんだい!?まずあの部活も練習過酷だから!」←
最後の提案に心底嫌そうな顔をする太宰。織田作は悶々と考えた後、思い付いたように呟いた。
織「文芸部…とかどうだ?アレなら週2だし、活動時間も午後5時までだぞ」
太「え!何それ楽!!ね、ね、織田作、連れて行ってくれ給えよ!いや、一緒に行こう!」
太宰はその好条件に目を輝かせ、織田作の手を引っ張りながら廊下に出た。
文芸部の部室に向かう途中、何気ない会話で盛り上がる。
太「そういえば最近寝苦しいのだよねぇ。金縛りにあったりするし」
織「疲れが溜まっているんじゃないか?入学したばかりだから」
太「そうかなぁ…(なんか、疲れって感じじゃなかったのだけれど)」
話していると部室に着いた。三回の隅っこにある小部屋だった。
ドアを開け、中に入る。
其処には髪の長い少女が一人、黙々と作業をしていた。
織「入部希望者だ、八坂」
「はい?ーーッ!?」
八坂と呼ばれた少女は振り向くと同時に、原稿用紙をバサバサと落とした。
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大阪 - リクエストで、学校七不思議か、てけてけお願いします! (2019年4月10日 16時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
文学少女(プロフ) - はい。一応文スト、という世界線なので、名も少し変化するかと判断して感じを変えました。それとリクエストありがとうございます!調べた後、書かせていただきます! (2019年4月10日 0時) (レス) id: 2d20336b29 (このIDを非表示/違反報告)
秦弓月(プロフ) - 安倍晴明の漢字が違うのは検索避けですか? また、リクエストで「22時48分の足音」と「のどがみさま」をお願いします。 (2019年4月9日 23時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - 続編だ!応援してます!この作品大好きです! (2019年2月17日 19時) (レス) id: aea70470cb (このIDを非表示/違反報告)
新羅 - 続編おめでとうございます!楽しんで読ませてもらっています! (2019年2月16日 11時) (レス) id: 86749cca2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文学少女 | 作成日時:2019年2月3日 15時