狼少女【第五人格】 (ページ16)

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第十五話ページ16

美『お膳立てはしたことやし、あとは…ふふっ、ヴィオレッタに頼もうかしら』

美智子はそう呟いてヴィオレッタの部屋に入る。

ヴ『あら？美智子ちゃんじゃない、どうしたの？またジョーカーにお茶淹れ下手って言われたの？繭に包んでやろうか？』←

美『そうやないわ……ちなみに言っとったん？』←

ヴ『うん』←

美『そうやったんか、教えてくれて有難う(ジョーカー後でしばく)』←

美智子は扇子で口元を隠してクスクス笑うがヴィオレッタには背後に薄っすらと浮かぶ般若面の美智子を見て悟る。

あ、ジョーカー終わったな←と。

ヴ『ところで、何か用事があったのでしょう？』

美『あぁ、そうやった。ヴィオレッタ、貴女服を作れるんやろ？明日ジョセフさんとグロリアが出掛けるさかい、何かグロリアに作ってあげられんかと思うてね。あの子、男の子の服しか持っとらんから』

そう美智子が言うとヴィオレッタはにっこり笑い、布を引っ張り出しながら『私にかかれば直ぐに出来るわ！』と作り出した。

美智子は『後で紅茶とお菓子を持って来るわぁ』と部屋を後にした。

美『さてと、ジョーカーしばきに行こか』←

☆ ☆ ☆

白『なるほど、そんなことが』

ジ『はい、そして明日グロリアと出掛けるのですが』

黒『真逆、その何時もの服で行くのではあるまいな？もしそうならお前の口に月餅を叩き込む』←

白『辞めなさい』←

真顔で月餅を構える黒無常を白無常が止める。ジョセフは呆れつつダージリンの香りを楽しみながらティーカップに口を付けた。

リ『でも、君のスキンってあの……』

黒白『『あ…(察し)』←

リッパーのひと言でその場でティータイムを過ごしていた男性陣の動きと表情が固まる。

全『『『(あの禍々しいスキンしかまだ無い…！)』』』←

その事実に気付いたジョセフの手からティーカップが落ちる(慌てて白無常がキャッチした)。

ジ『何て事だ…ッ！しまった、街の人々から行方をくらます時に服の殆どを置いて来てしまった…ッ！』←

道『何をしでかしてんだよお前』←

白『貴方時々抜けているところありますよね』←

リ『これだからイケメンは』←

黒『男の嫉妬は醜いぞ』←

ジ『待って話が逸れてる』←

男性陣がギャーギャー争い始める。

ジ『宜しい、ならば戦争だ』←

道『よし、武器を持て、話はそれからだ』←

その瞬間、ジョーカーの顔スレスレに扇子が突き刺さる。

男性陣『『！？』』

美『何やってはるん？五月蝿いわぁ、黙りよし』