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第三話 ページ4

「…別に。ミヒャのこと嫌いになっただけ」

今回の理由は至ってシンプルだ。
理由を聞いても教えてくれる気配は無い。

太ったか?とかデリカシーのないことでも言われたのだろうか


「そうかよ、ったく…毎回巻き込まれる俺の気持ちも察してくれよ」

今日は遠征明けの一日オフ
カイザーも自宅に帰っているはずだが、せっかくのオフを喧嘩で無駄にしてしまって可哀想に。
確か、昨日「明日はデートなんだ」といつものウザいマウントを取っていたが、そのデートは中止になりそうだ。


そして翌日、


オフ明けでリフレッシュした選手が多い中、カイザーだけは違った。


彼だけは荒れに荒れまくっていた。

あのネスでさえも彼の傍には近寄らず、チラチラと気にしながら様子を伺っている

"嫉妬という名の怪物を飼い慣らすのが本物のプロフェッショナル"

今の彼は怒りという感情を飼い慣らすことの出来なかったプロフェッショナルの姿だ



「なぁ、カイザーの奴どうしたんだ?」

「どーせまた、奥さんと喧嘩でもしたんだろ」

「そっとしとけよ。八つ当たりされるぞ」


チームメイト達がコソコソと話しているのを盗み聞きする潔


カイザーは俺が点を決めてもこんなに感情のコントロールができないことは無い。

彼がこんなに己の感情を制御できない状態にあるのは
"彼女"が絡んでいるからだ

サッカー選手としてのミヒャエル・カイザーは、高いプロ意識を持つが、やはり彼も一人の男なのだ。

「おい、世一」

「へ?」

「なんだその間抜けな声は」

声のする方を見ると、カイザーが眉を釣り上げたまま
こちらを睨んでいた


「ど、どうしたんだカイザー」

「…お前のとこに子猫が迷い込んでないか?」

「は?子猫?」

「あぁ」

「いや、来てねーけど。てかなんで猫?」

コイツ…自分の奥さんより飼い猫のこと心配してんのか?

おたくの奥さん俺の家にいるんだけど?!


不機嫌顔のまま「そうか」とだけ返すと
彼は練習に戻って行った





「バカですね〜世一」

「は?何だよ急に」

口元に手を当て、クスクスと笑いながら近づいてくるネス


「"子猫"っていうのはAのことですよ」

「え、あ、そうだったのか?てか何で俺のところにいるって…」


「彼女がカイザーと喧嘩した時は決まってアナタの家に行くそうじゃないですか。あれ、もしかして今回もですか?」


「え?いやいやいや!マジで今回は違う!」


「…どうだか」

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沙羅(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新待ってます! (4月7日 0時) (レス) @page21 id: e669b9fbcc (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 神かよ!!!!!!! (8月24日 9時) (レス) @page15 id: 097fc38870 (このIDを非表示/違反報告)
YUY - うわ最高 この作品のみひゃ最高すぎてまじ神(語彙力皆無)更新待ってます!頑張ってください!! (2023年2月19日 11時) (レス) @page12 id: 2b504e2cbc (このIDを非表示/違反報告)
- カイザー優しい♥️ 最高ですか? (2023年2月14日 17時) (レス) @page9 id: 1f3484379a (このIDを非表示/違反報告)
- ヤバいヤバい続きが気になるーーーーーー (2023年2月5日 22時) (レス) @page6 id: 1f3484379a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あかお2号 | 作成日時:2023年2月5日 2時

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