彼女はカンタレラ【ブルーロック】

第二十二話 ページ24

部屋に戻ると、携帯を机に置きっぱなしにしていたことに今更気づく

「あ、忘れてた‥‥」

携帯を持ち上げ、液晶画面を見ると通知が入っていた


久しぶりに見た彼の名前に驚きの余り目を見開き、その場に立ち尽くす



「‥‥ど、どうして‥」

不在着信が一件

その存在を誇張するかのように、それ以外の通知は何もなかった


彼とは別れてから連絡など全くしていない

私がブルーロックに協力していて、日本にいることもきっと知らないだろう


そして、何より不思議なのは

急に連絡を寄越したこと


今更何の用だろうか？

今日携帯をたまたま忘れていて逆に良かったのかもしれないとAは思った。


















いつものように各チームのユニフォーム交換に向かう。

一次選抜は各棟で総当たりリーグ戦

洗濯物が非常に多い




「大丈夫？一人で行ける？」

「はい、これくらい大丈夫です」

ありがとうモブAくん、君のことは君が脱落しても一生忘れません。その優しさに乾杯




‥でも、この量はえぐいわ。


絵心は選手達に嘘をついた。

彼は各棟5つはBからZまでのチームに分かれている、と。

だが本当はそうではなく、

最初から存在しているのはVからZのチームのみ

各棟全てV〜Ｚで振り分けられていて、あたかも自分は最下層なのだと思わせるようなことをしていたのだ。
選手達の競争心を高めるためだ。

そして、私が今いるのは最上位のV〜Ｚの棟


洗濯物で前が見えない中、野性の勘で前に進もうとしていた矢先、何かにぶつかった

その衝撃で落ちる衣類

「あ、っ！」



それは誰かの手に支えられ、落ちることはなかった

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