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吉沢くんが頭の上から
ヒューヒュー♪だの、さっきの菅田のセリフだのを再現して

いやーかっこいいわぁとニヤニヤしてる。
完全に面白がってるでしょ。

無視。こういうのは無視に限る。

今日ではっきりさせようと思ってたのに一言も話させてもらえなかった。

私の性格を完全に把握してる?手のひらで転がされてる感が半端ない。

ひやかしに反応もしない私を見て、さすがに悪いと思ったのか、吉沢くんが私の隣にストンと同じようにしゃがみこんだ。


「菅田先輩、いいと思いますけど。」
「………」
「優良物件ですよ?うちの女子社員のほとんどがねらってる。」
「………」
「仕事はできるし、将来も有望。人望もあるし、なんでも大体のことは器用にこなせるし、あの感じじゃ惚れた女にはマメそうだし」
「………」
「顔は…まあオレのほうがいいですけど」
「ぶはっ!」

臆面もなく言うところがおかしくて思わず吹き出したら、吉沢くんが嬉しそうに微笑む。

「なによ…」

「Aさんは笑っててください。じゃないとオレが困ります」
「吉沢くん…」

じーん!ちょっと感動。
そんなに気にしてくれてたなんて!
私のこれまでの教育は間違ってなかった!
なんだかんだいって、本当に根はいい子なんだから。


「ありが…

「Aさん笑ってないと周りがぴりぴりするんですよね、仕事がやりにくくて」
「おいこら」

さっきの感動を返せ!
えい!と隣でしゃがんでる吉沢くんに肩をぶつける

「わわ!」

バランスを崩して尻もちをつく吉沢くんをフンと鼻で笑ってやった。

「いてぇ。Aさん大人げなーい」
「どーせ子供ですよ」
「見た目は完全にできる女なのに…詐欺」
「うるさいなぁ。好きでこんな顔してるわけじゃないわ」
「嫌なんですか?顔」
「嫌よ、」
「なんで?」

意外!とでも言いたそうな顔。

「吉沢くんもさっき言ってたでしょ?笑ってないと怒ってると思われるし!キツく見られる。ちょっと見ただけで睨んだだの偉そうだの。どうせ男は柔らかい感じのかわいい女が好きでしょ」

いつの時代も日本人の男の理想は黒髪ロングストレートの清純派と決まってる。
だから秋○康は儲かってる。

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作成日時:2019年3月19日 20時

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