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液晶には、まさに今日登録したばかりの
「倫也さん」
の文字が並んでいる
え!え!待って、これは出ていいもの?
すごいタイミングに動揺。
スマホが震えてるのか、私の 手が震えてるのかわからない。
呼吸を整えて、意を決して通話のボタンをタップする。
「ハイ…」
「お、でた。フフ、ちゃんと登録してた?」
「ハイ…」
耳元で聞こえるあの声に体温が一気に上がる。
「えらいえらい。いまどこ?」
目の前には私のマンション。
歩きながらなんて話せなくて、少し横の植込みのレンガ造りのところをイスにして座ってしまってるけど、もうつくんだから嘘ではないよね。
「家に、ついたとこです」
「そっか、お疲れ」
「おつかれさまです」
「まっすぐ家に帰ってて安心したわ」
「へ?」
「またどっかで飲みつぶれてたりしてなくて。」
「あー…、私毎日そんなことしてませんよ?」
「んフフ、だってオレが会うときいっつも酔ってるから」
「それは!…たまたま、です。」
「たまたま、オレがいたから良かったけど、いつも行ってやれるわけじゃないのよ?」
「それ、狼が言うセリフではないかと…」
「あー、おまえが一番危ないよって?」
「いや、そうは言ってません」
軽口を叩いてみたけど、心臓はもう壊れるんじゃないかってくらいバクバクいってて、やっぱり少しぐらい飲んでおけばよかったと思った。
花壇に座って電話をする私の前をチラチラと見ながら人が歩いていく。
学生ならともかくいい年した大人はこんなとこで座らないか。
あんまり長くこんなとこに座ってたら不審者っぽいかな、でもエレベーターとか乗って切れちゃってもやだな。
どうしてもこれだけは聞いておきたい。
「あの、どうして番号知ってたんですか?」
「あぁ」
「あー、じゃないですよ」
「そんなに知りたい?」
「当たり前じゃないですか。個人情報!」
「じゃあねー、オレの出す問題に答えられたら教えてあげるよ」
なぜ?
質問したのは私なのに
なぜに私が問題に答えないといけないのか?
「知りたいんでしょ?」
余裕たっぷり。
私がどう答えるかなんてきっとわかってる。
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作成日時:2019年3月19日 20時