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「女の子が大っ好きなの。」
「うん。ん?」
今なんて言った?
「だってかわいいじゃん。ふわふわでさぁ、あまーくて。」
「はぁ」
「だから、告られたらまあ、付き合ってみるだろ。好きになるかもしれないし。それって付き合ってみなきゃわかんねぇじゃん?」
「ま、まぁ。」
「浮気だってしないし。好きになれないとわかったら早めに別れたほうがお互いのためだし。それに、ここ一年くらいは告白もお断りしてるんだ!」
「あの、なにがいいたいの?」
「オレは!」
バーンっ!とデスクに手を叩きつけた。
「誠実だ!」
「あ、ハイ…」
「誠実なオレは、まぁ傷ついたよねー。」
「それは!ごめんってば!」
「妊娠?はぁ?オレが本気出したらそんなもんじゃ…」
「わー!黙れっ!」
何を言い出すのか!思わず手が出る。
「いってぇ!グーで殴ることないだろ」
「同僚のそんな話聞きたくないわ!」
イテテと顔をさすりながら、じろりと睨んでくる。いや、今のは菅田が悪いでしょ。
菅田は、はぁー、と大きなため息をついて、私の席に座ると項垂れた。
「お前はお前で、妙な男の影が出てきたかと思えば、急になんか女っぽくなるし!
知らない間に吉沢はお前のこと名前で呼んでるし!」
なんか話それていってない?
会社でお酒でも飲んだの?
「Aはさぁ…、大体、オレがなんで誰とも付き合わないのかわかってる?」
さっきまでふざけてたのに、急にまっすぐ射るような目
「な、何?急にそんな怖い顔して…」
ヴーヴーヴー
張り詰めた空気を裂くように、スマホがデスクの上で震えてる。スマホの画面には知らない番号。
スマホに手を伸ばそうとして、パシッと手首をつかまれた。
「え」
「分かれよ」
「ちょ、菅田?」
ヴーヴー
振動がとまって、光っていた画面がスゥっと暗くなる。
「オレがおまえのことを、Aのことが好きだからだろ」
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作成日時:2019年3月19日 20時