「 だいきはおれの 」 ページ5
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今日はひさしぶりに、早く帰れる日。
最近有難いことに仕事が重なり、帰りがいつも日付を超えたあとだった。
愛しの恋人にも、会えていない。
一緒に住んでいるわけでもないので、今日は内緒でともの家へ向かう。合鍵を貰ってから初めてのお家訪問で、なんだかドキドキする。
カチャ、と鍵穴に鍵をいれると音がして開いた。いきなりだれか入ってきたら怖いやろか、でもサプライズしたいし、許してもらおう。
そう思いながらリビングへ繋がるドアを開けようとすると、なんだか中からすすり泣くような声が。
とも!?!と飛び出そうとしたそのとき、中から声も聞こえて。
『 俺、お前のことが好きだ! 』
『 嘘よ、ワタシなんて… 』
これは、俺のドラマ?
このシーンは、俺がヒロインの子に告白して、そのあと…なんやったっけ。
そうや、キス、キスするんや。
もしかして、このシーン見て、泣いてる?
「ッ、だいき、ッ…」
…アカン、なんやこの子。めっっっっちゃくちゃかわええ!!!!!!
俺に全然会えてへんから、ドラマの中のヒロインの子見て、嫉妬して泣いてるってことやろ???
これ以上にうれしいこと、ある?
ほんっっまにかわええやろ、おれの恋人!
「だいきのあほ、…あいたい、だいき」
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作者名:ル | 作成日時:2022年10月10日 12時