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- 緑 ページ34









…アァ、撃沈。





なんだって乗り越えられる、なんて言ってた俺は、どこへ行ったのだろうか。

重岡先輩が俺の告白を断っていたのは、俺のことを好きじゃないからじゃなかった。
重岡先輩には、想い人がいたのだ。きっとそれは、淳太先輩か、照史先輩か _____



俺がいちばん、重岡先輩のことを知っている、だなんて大口叩いてたやつがアホらしい。

のんちゃん、俺、ダメやったわ。




































うっそで〜〜す、うそうそ!エヘへ、みんな騙された?


俺がこんな くだらない ことでめげる人間やと思う?思わんよねえ!

俺にとっちゃ、絶好のチャンスすぎるやろ!神様ありがとう!
さっきよりももーーっとルンッルン気分で、結婚式で聞く、あのパイプオルガンの音楽を鼻歌で歌いながら、さっき先輩が駆け上がっていった階段をのぼる。

さぁここが、俺と先輩の、また新しいバージンロードだ。花嫁が花婿を迎えにいくのも、一味違っていいんじゃない?





ガチャリ、と立て付けの悪そうな屋上へと続く扉をあけると、ポツンと佇む背中。今すぐにでも抱きついてしまいたいけど、我慢だ。





「…せんぱい、大丈夫ですか?」
「…こっち見んな、」





相当好きだったのか、鼻をズルズルいわせて、下を向いた彼は、今までの男らしい姿じゃなくって、なんというか。





「かわいい、」
「ッ、は、」
「可愛いですね、せんぱい」





おっと、つい声に出てしまっていたようだ。
パッとこちらを向いた先輩の目は真っ赤、え、ますます可愛いねんけど。





「…なに、からかってんの?」
「からかってませんけど。正直な感想。」
「…うざ、神山のくせに。」
「失恋して泣く先輩がかわいくって、つい」
「お前もいま、たった今失恋したんちゃうん?」
「僕は失恋じゃないです、チャンスなんで」







「いま、俺は先輩の弱みに漬け込んでます」
「それ、言うたらアカンやつ」
「けどきっと、先輩は俺を好きになります」
「どんな自信?」
「先輩、すきです」
「俺はすきじゃない」
「じゃあいつか、いやどうせ好きになるし、いいや」




なんやねんソレ、とさっきまで泣いていたはずなのに、いつもの、初めてみたときのキラキラした笑顔で笑った。




…ほら、ちょっと、僕のことイイなって思ったでしょ?





重岡先輩が俺に恋に落ちるまで、あと _____







to be continued ... ????









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作者名: | 作成日時:2022年10月10日 12時

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