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- 緑 ページ33








朝、バッタリ下駄箱で。


「あ、重岡先輩!おはようございます!こんなとこで朝から会うなんて、俺たち運命なんですかね?結婚します?」
「だまれ、きしょ」




2限目、外を見てたら体育をしてる先輩を発見。
パチッ、と目が合ったからとりあえず口パクで すき って言ってみた。心底嫌な顔をされた。




昼、バッタリ(嘘、これは狙った)食堂で。


「先輩、ここの味噌汁より俺が作る味噌汁の方が美味いですよ、結婚したら毎日飲めます」
「こっちのが美味い」



夕方、先輩が帰ろうとしてたから、とりあえず大きな声でバイバイって言ってみた。ガン無視された。





桃「撃沈?」
「んーん、めっちゃ元気」
桃「そのメンタル分けて欲しいわ」




重岡先輩のことになったら、俺はなんだって乗り越えられる。恋のパワーってやつは、凄いから。




さて今日は、俺の部活がない、最高の日。
部活のない日 = 重岡先輩と帰れる日!ストーカー?いやいやちゃうよ、これは先輩から了承済みやねん。
一緒に帰るだけでいいんです!お願いします!って頼み込んだら、過去最高に嫌な顔をされながら、渋々オッケーしてくれた。あの顔、カッコよかった。






ルンルン気分で、先輩の教室までスキップ。
こんなときに限って先生に頼まれごとしちゃって遅くなってもた。けど遅くなっても先輩は絶対待っててくれるねん、こんなん思い上がっちゃうやろ?


まぁ重岡先輩は、俺には当たりが強いけど、本当はすごく優しい人だってこと、俺がいちばん知ってる。



俺がいちばん、重岡先輩のこと、知ってる。1年生の教室から3年生の教室はすんごく遠いけど、重岡先輩のことを想えばここはもうバージンロードみたいなものでしょ?




重岡先輩と歩く、バージンロード。想像したらニヤけが止まらない。さぁもうすぐ、重岡先輩に会える、運命の瞬間だ。




教室のドア、1人の影。きっと重岡先輩だ。



「せんぱい______」






声を、掛けられなかった。教室の中を見つめる重岡先輩の目から、涙がこぼれ落ちていたから。











教室の中には、見慣れた顔が、ふたり。

淳太先輩と、照史先輩だ。


2人は嬉しそうに微笑み合うと、そっと、顔を近づけた。




その瞬間、目の前にいた重岡先輩が、バッと後ろを向くもんだから、目が合ってしまって。




「ッ…ごめ、」





そう呟くと、先輩は屋上へと続く階段へ、走り出してしまった。






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作者名: | 作成日時:2022年10月10日 12時

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