- 緑 ページ4
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流星は本気で怒った顔をして、いってしまった。
大毅さんと俺の間に流れる、静かな時間。
「…ア、ごめんなさい、重岡さん。俺ももういきますね、」
沈黙が耐えられなくなって、逃げるように去ろうとすると。
「…なまえ、」
「え？」
「いま、ふたりきりやのに。なまえ」
ふたりきりのときは 智洋、大毅さん と呼び合おうと決めた約束。しかしここは会社だから。
それに人気者の彼が、男の恋人がいるなんて知られたら、人気ガタ落ちではないか。
「会社、ですし…」
「だれもおらへんやん。…ともひろ、」
甘く、溶けそうな、俺の大好きな声。
そんなことされたら、俺の荒んだ心も蕩けて、戻らない。
「おれ、きょう唐揚げが食べたい」
「…さっき、ご飯誘われてた」
「聞いてたん？いくわけないやろ、俺には智洋がおる」
「…だれにでも、愛想振りまくくせに。」
こんなこと、言いたいわけじゃないのに。ツラツラと出てくるのは俺の可愛くない言葉。
こんなだから、愛想尽かされてしまうのでは？
そう考えていたら、いつの間にか大毅さんが目の前にいて。
大毅さんの少し小さな手で頬を包まれた。
「…こんなことするの、智洋だけやけど」
「…ッ、」
「ギュッてするのも、ちゅうするのも、それ以上も、智洋だけ」
「智洋がいやかなと思って、恋人がおるの隠してた。」
「…おれは、大毅さんとやったら、どんなこと言われても平気」
そう言うと大毅さんは ハアァッ、とため息をついた。
「なんっっでそんな可愛いこと言えるんッ！！」
「へへ、やってほんまのことやもん」
そういうと大毅さんは俺の手を取り、ズンズンと仕事場へ戻ると。
ギュッて恋人繋ぎをしたまんま、「すんません、俺可愛い恋人おるんで！」なんて部屋に入った瞬間言うもんだから、ホントに、この人ってやつは …。
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青さん不憫すぎて可哀想(泣)
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作者名：ル | 作成日時：2022年10月10日 12時
