｢ で、どうしたいの？ ｣ ページ27
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「 きょうはありがとう、お兄さん ♡ ｣
俺は所謂、ゲイ専門のホストクラブでNo.1ホストをやっている。
No.1を保つのは割と大変で。アフターでカラダ売るしか、方法ないねん。
カラダ売って、その分の金も貰って、また次回以降も指名してもらう。
だからきょうも、汚いオッサンでもなんでも、相手にする。
ただみんなヘッタクソやから、感じたことなんて一回もない。いつも感じてる " フリ " 。
アンアン善がるフリをするだけで、アイツらは喜ぶから。
「ご指名ありがとうございます、トモ です」
次の日も、また次の日も、俺は偽りの自分 を演じることでしか生きていけないのだ。そういう、人生なのだ。
今日の客は いつも俺を指名するオッサンと、初めて見る客。
このオッサン、どんだけ誘ってもアフターはせんのよな、はァいらんわ、コイツ。
隣のオドオドしてるのは、上司に連れてこられた部下って感じ。如何にも慣れてなさそうな。
どっちも期待できなさそう、今日はナシ、かな。
『トモくん久しぶり〜〜！♡いやァ、きょうもかわいいね？』
「フフ、ありがとうございます」
一方的にオッサンが話しかけてきて、俺が相槌を打って。隣のコイツは一切喋らんけど、話に入れへん訳にはいかへんし。
「えっと、お兄さんは 初めて、ですよね？」
「エッ！？あ、は、はい …」
『コイツ、重岡って言うの、ゲイって言うから連れてきてやったのにさ〜〜、オドオドしててしょーもないやろ？！笑』
お前の話の方がしょーもないけどな、心の中で呟く。
シゲオカとかいうコイツも話す気なさそうやし、一旦このオッサンの相手しとくか。
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作者名：ル | 作成日時：2022年10月10日 12時
