｢ 可愛い恋人 ｣ ページ3
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『重岡さん、これ、よかったら…』
「おっ、ありがとうなあ！」
『重岡さん、プリンタの調子が悪くて…』
「どれー？ちょっと見せてみ？」
『重岡さん、良ければ今日夜ご飯でも____』
俺の恋人は、モテる。尚、本人は自覚なし。
無意識に振りまく笑顔にやられていく人を俺は、沢山見てきた。
大毅さんはもともとノンケだ。告白したのも俺から。だから、なんで俺みたいなやつと付き合おうと思ったのか、不思議で仕方ないし、いつも不安だ。
「かーみちゃんっ、おつかれ、コレ」
「りゅうせい…ありがとう、｣
「また重岡さんのこと？もうはよわかれて俺にしたらええのに〜〜」
俺の同期である流星は、ことある事に俺に告白まがいのことを言ってくる。冗談に聞こえるが、どうやら本気らしい。( １回冗談やめてや、と笑いながら言ったら真剣な顔で本気やしって怒られた )
流星がくれた甘いコーヒーを飲みながら、今も尚話しかけられ続けている恋人、大毅さんに目を向けた。
「ハア…」
「ため息ついたら、幸せ逃げるで？」
「もう逃げてるかも、」
「じゃあその逃げた幸せ、俺がまた戻したる」
正直流星の顔面、最高にどタイプやし。キュンってしちゃうのも、事実。
けど、大毅さんが悪いんやで。
「ふは、なら流星に幸せにしてもらおかな」
なんて、笑いながら冗談で言うたつもり。
「アホ、何言うてんねん」
背後から聞こえた、愛しの人の声。聞き間違えるはずもなく。
「流星お前、いらんこと言うな。」
「なら、ヘラヘラ愛想振りまくの、やめてください」
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作者名：ル | 作成日時：2022年10月10日 12時
