- 緑 ページ14
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『 卒業おめでとう! 』
そう、言葉が飛び交う時期。
俺は担任とかじゃないから、いつも通り保健室で。
桜の舞う、運動場を眺めてため息をつく。
"もう 生徒と先生、ちゃうから "
のんちゃんから言われた言葉が、頭から離れない。
…よし、決めた。とりあえず、会いに行って、みようか。
そう決めて、扉に向かおうとした瞬間、扉が開いて誰かが入ってきた。
「ッハアッッ、神ちゃん!!!」
「へ、なんで、しげおか…???」
俺がいま、会いに行こうとしてたやつ。先に来られてしまった。
「俺、おれ神ちゃんに言いたいことがある」
「…うん、なに?」
「これ、」
と、渡されたのは、ボタン。
「神ちゃんに渡したくって、守ってきたんやで」
クシャクシャの笑顔を見せながら、俺に言ってくるもんだから。
「…すき、」
「ヘッッ、 ???神ちゃん、いま、なんて…??」
「ずっと、好きやった。生徒やからなんて、言い訳作ってたけど。」
「俺はずっと、重岡に惹かれてた。」
「…ごめん、ずっとずっと、流して、重岡の気持ち無下にするようなことして。」
重岡の反応が、コワイ。
もう俺になんて、興味無いだろうか。
もしかしたら、今までのヤツ全部冗談やで?なんて言いに来たのではないか。そう思うと、不安で押しつぶされそうで、下を向いた。
その瞬間、フワリと体が包まれて。
「すき!!!だいすき神ちゃん!!!」
「ちょ、うるさッッッ、耳元で急に叫ぶなやっ」
「やってやっと恋が実ったんやで?!!!うれしくってしゃーない!!!!」
「ふは、アホやなあ、しげおか」
「恋人に、重岡はないやろ?」
「…生意気やな、俺のが年上やで」
「けど、ともひろのほうがかわいい、」
「…うるさいわ、だいきのあほ」
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作者名:ル | 作成日時:2022年10月10日 12時