- 緑 ページ13
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寂しい、だなんて思ってへんし。
そう思いながらも、ついつい見てしまう運動場。
そこでは重岡のクラスが体育をやってて。もちろん、重岡も。
重岡が俺に話しかけなくなって、3ヶ月。
最初こそ、好きって言われへんくなって、せいせいする、なんて思ってた。
…こう長くも続くと、寂しいだなんて思ってしまう、俺のキャラじゃないけど。
桃「神ちゃ〜〜ん、コケた！！」
「もお1人で歩けや、小瀧…」
「ちょ、のんちゃんめっちゃ血出てるやん…！！ここ、座り！」
怪我をした、というのんちゃんを連れてきたのは紛れもなくさっき俺の頭の中を埋めつくしていたアイツで。
そんなに保健室に来るのが、いや、俺に会うのが嫌だったのだろうか。
そんなことを考えながら、のんちゃんの手当てをする。
「なぁ小瀧、俺もう帰ってええやろ？」
桃「あかんって、帰る時俺一人で歩かれへんもん！」
「ちょ、のんちゃん動かんとって！」
結構派手に転んだのだろうか、膝をすごく擦りむいていて、血も割と出てるから。そう思って手当をしていると。
「…小瀧には、そんなに心配するんや」
「え？」
不意に重岡が話しかけてきたと思ったら、そんなことを呟くから。
のんちゃんも俺もびっくりして、重岡の方を見る。
「俺のことは全然心配してくれへんかったくせに、」
「しげおか…？？」
「やっぱり神ちゃんは、俺の センセイ やもんな、」
「ゴメン小瀧、俺帰る。」
そうやって一方的に喋って、いってしまった。
桃「アーア、神ちゃん、ほんまアホ」
「な、なにが…！！」
桃「神ちゃんも、しげのこと好きなくせに。先生と生徒やからって、一線引いて。しげかわいそう」
「なっ、えっ、俺が、重岡のこと…！？！！」
桃「え、気づいてなかったん？神ちゃん、しげのことだけ見る目ちゃうし。めっちゃ優しい目してる。」
桃「もうすぐ俺ら卒業やろ？もう 生徒と先生 、ちゃうから」
それだけ、と言ってのんちゃんも去っていった。
…いや、1人で歩けてるやんけ。
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作者名：ル | 作成日時：2022年10月10日 12時
