- 桃 ページ11
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「映画の、はなし、」
「…おん、」
「だいきが、えいが、さきみてもた」
「だから、謝ったやん。」
そこで言葉を詰まらせた神ちゃん。
つい声が出そうになるけど、我慢我慢。
「…先、見てもたのがいややったんじゃなくて…」
「じゃあ、なになん？」
「…だいきと、いっしょにみたかったから…」
「映画もたのしみやったけど、大毅と、ふたりでみたかったから…」
そう言うと、酒が入っているのもあって泣き出してしまった神ちゃん。
その横で顔を真っ赤にして口をパクパクしながら動揺が隠しきれてないしげ。そのアホ面と来たら、笑うしかない。写真撮ってグループ送ったろか。
「ごめん、とも。泣かんといて？」
クールぶって神ちゃんの涙拭ってるけど、顔真っ赤っかやし、なーーんにもかっこよくないで。
「ごめん、おれ、めんどくさくて…ッ、」
「めんどくさくなんかないよ。そんなこと思ってくれてたやなんて、気づけへんくてごめんな？」
しげの声ったら、甘々でドロドロ。こんなしげ、初めて見たかもしれへん。
「とも、帰ろ。ほんでいっしょに映画見よ？」
「…うんっ、」
ごめんな、小瀧、流星。ありがとう なんて酔った神ちゃんを抱えながら俺らの分まで金を払っていった時は、なんだか少しかっこよく見えた。
青「なんかめっちゃ振り回されたな、アイツらに」
桃「ほんまに、こっちの気持ちも考えて欲しいわ、」
青「アーア、なんかめっちゃ当てられた。望、おれらもはよかえろ。ちゅうしたい」
桃「なっっっ、何言うてんねんアホ！！！！！！」
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作者名：ル | 作成日時：2022年10月10日 12時
