- 赤 ページ7
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「とも、上がったで」
また俺の部屋を覗くと、次は携帯ゲームに移行してた。俺の姿を認めるとゲームをやめて、ニコニコと笑って俺が来るのを待つ。
ともが被ってた布団を半分だけあけて、ポンポンと隣に来るように招くから、遠慮なく体を滑り込ませると 、とても暖かくて。
「あったか、」
「大毅のために、あたためてた」
「ンは、そりゃどうも」
ドヤ顔でそう言う君はとても可愛くて、愛しさが溢れてしまってついついぎゅうっと抱きしめてしまった。
「だいき、くるし」
「ともが可愛すぎるのが悪い」
「なにそれ(笑)」
同じくらいの身長やけど、俺の方が鍛えてるから、腕の中にすっぽり収まるジャストサイズ。
「きょうな、スタッフさんに美味しいパフェあるとこ、聞いてきてん」
「えっ、ほんま?」
「うん、やからまた今度、いっしょにいこうな?」
「んフフ、うん、たのしみ」
甘いものに目がないともは、キラキラと目を輝かせながら俺を見る。
「ほんま、甘いもんだいすきやな」
「…パフェも、たのしみやけどな?」
「うん、なに?」
「大毅とのデートの方が、たのしみ」
ッッッ、まってや、ほんまに。今から寝るねんで。
自分で言うて恥ずかしくなったんか、俺の胸もとに顔隠しちゃうし。何やねんなほんまこの子、ずるいってぇ…ッ!!
俺のナニかが元気になるのに気がついたけど、明日も仕事やし、ガマンガマン。
とも、と呼んで頬を手で包み、こちらを向かせると チュッと触れるだけのキス。
「おれも、ともとのデートたのしみにしてる」
「…ん、約束な?」
「うん、約束」
「おやすみ、とも」
「おやすみ、大毅」
寝ても覚めても ずっととものことが大好きなんやろなあ。
そう思った、深夜の、俺たちのはなし。
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作者名:ル | 作成日時:2023年3月9日 10時