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「ちょっと待ってね、タクシー呼ぶから」
「あ、あの私1人で帰れます」
「だってもう日付変わったよ？だめだめ」
テンさんがそう言って消えてから5分後、ユミはヘチャンさんに送られて帰って行った。
ユミの偉いところは、公私混同しないところ。
ホストのお店の中で提供されるサービスとお酒にだけお金を出しているから、いっぱい払って好きになってもらおう！みたいな遊び方はしていない。
それが偉い。ホストが生活の軸になってないところが。
多分今頃普通に家に向かってると思う。
「モモちゃんテン来たよ〜、か〜えろ」
「あ、はい…」
テンさんももう帰るみたいで、再び現れたテンさんが着ていたのはハイネックのニットとロングコート。
と、シンプルな小さめのバッグ。
だけどこれ、はちゃめちゃに高いんだろうな。
なんだか、ファッションの正解を詰め込んだ、みたいな、角のないファッションをしてる。
「寒いねえ、ちゃんとあったかくしてる？」
「えっ…テンさん、帰るんですか？」
「帰るよ？」
「え、まだ…閉店時間じゃ」
「いいの。おれさあ、お金よりも時間が欲しいんだよね、だからモモちゃん俺のことアフターで連れて帰って？」
…ど、どいつもこいつも…！
「えっ…」
「とりあえず飲めないならお茶しよう？コーヒーがいい？甘いのがいいな」
「私今5000円しか…」
「お金いらない。ちょっと静かなとこがいいよね？ラウンジでもいい？俺いいカフェ知らないの」
「いやご迷惑なので帰りま」
「タクシー来たよ、ほら乗って〜すいませんいつものラウンジまで」
本当に帰りますって言ってるのに、全然聞こうとしない彼。
私をぎゅうぎゅうとタクシーに押し込んで、自分もその隣に乗り込む。
う、テンさんすごい香水の香り。
車内の匂いと混ざって頭痛い。
「あ、ごめん香水くさい？」
「だ、大丈夫です…」
「ほんと？おれ自分がくさい」
あはは！と笑って子供みたいにコートの袖をにぎったまま腕を伸ばして、ぶんぶんと振る。
匂いキツイって分かってるのになんでわざとするの？？？？謎すぎる。
15分くらいで着いたラウンジはビルの上の方にあって、入るのをためらって立ち尽くしていたらテンさんが手を引いてくれた。
「コーヒーって言ったのに…」
「とりあえずモモちゃんは弱いの飲みなね」
「飲みませんよ…」
そこから、私の記憶はぷつんと途絶えてしまった。
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くま(プロフ) - ハリさんの書かれるテンさん、とっても魅力的で本当に好きです！！素敵なお話読ませていただけて幸せです！ (2022年1月29日 12時) (
レス) @page50 id: 3a63272b29 (このIDを非表示/違反報告)
ハリ(プロフ) - リュイさん» コメントありがとうございます！長らくお待たせして本当にすみません。活動をやめた訳ではなくて、今は試行錯誤を重ねている段階なので、いいお話が出来たらそのとき皆様にお見せしたいと思っています！ので、もうすこしお待ちくださいね！いつもありがとうございます！ (2021年12月28日 3時) (レス) id: 86d42c940d (このIDを非表示/違反報告)
リュイ - ハリ様、もう活動はしないのでしょうか… (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2183f1b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 初コメお邪魔します(^^)このお話大好きでした！テンくんが大好きなのですが…読むと一時的に私にクン哥期がやって来たりも(*^^*)お話の中で最終的にテンくんと直感的に通じ合える存在になれて、とても幸せでした(*^o^*)またいつか新作が読める日を待っています！ (2021年8月15日 15時) (レス) id: 14837b160d (このIDを非表示/違反報告)
Kiki(プロフ) - 完結おめでとうございます好きです〜(;_;)(;_;)(;_;)また楽しみがひとつ減ってしまう、、かなしい、、、 (2021年8月14日 9時) (レス) id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハリ
| 作成日時：2021年1月18日 22時
