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言い合いになっていたら、私たちを仲裁するみたいにクンさんがホットケーキを運んできた。
ひ、一皿…。
がっかりしたとかではなくて、突然変な緊張がわたしに襲いかかってくる。
昨日の夜知り合ったばかりの他人なのに(全然そうは思えないけど)、
こんなの絶対に間接キスが発生するシチュエーションすぎて。
食べなければ回避することもできるけど、でも私だってお腹空いてるし。
モヤモヤしていたらテンさんが察したように声を上げる。
「なんで2人なのに1個なの」
「だってお前いつも残すし」
「ちっちゃいのって言ってんのにクンがいっぱい作るからでしょ」
「小さくしたらケチ臭いとか言うだろ」
「おんなのこと同じ皿のもの食べにくいじゃんね」
「何を今さら…どうせ間接キス気にする間柄でもないくせに」
そうか、今までテンさんのおうちに泊まった人は、間接キスなんて… また自己嫌悪。どうしてわたしこんな人と一緒にいるの。
「も、クンどっかいって！」
「あーはいはい、モモさんごめんねうるさくして」
「かっこつけんな！」
「おまえほんと…はあ」
クンさんが私にごめんねと手を合わせて奥に消えていく。仲良しだな、ふたり。
「モモもたべていいよ、足りなかったらまた頼んで」
「は、はい、い、いただきます」
さっきまでこの人の家で寝て、シャワー借りたり抱きつかれたり散々してきたのに。
外に出て自分を取り戻し始めると、全てが恥ずかしくなってきてまずい。
限界まで手を付けないでテンさんが食べているのを見ていたけど、とうとう限界が近付いた私は一口だけ口に入れた。
ああ、本当に美味しい。
なにこれ、なんでこんな美味しいの？
やっぱりクンさんと結婚したい。
目の前にはイケメンカフェ店員が作ったホットケーキ、
その奥にはイケメンカフェ店員が作ったホットケーキを食べるイケメンホスト。
なにこれ。
異様すぎるこの状況が突然怖くなってきて、二口目をと伸ばした手が何故か震える。
一口大に切られたホットケーキに何とかフォークを刺して口に入れようとすると、
ふわふわすぎるそれはクッションみたいに形を戻し始め、最後にフォークから外れて私のお腹のところに落ちた。
「あ」
テンさんのパーカーなのに！！
一瞬の思考停止の末に急いで拾い上げて口に入れたけれどもう遅い。
服についたシロップがしみみたいになってる。
「あ、モモやった、おれの服なのに」
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くま(プロフ) - ハリさんの書かれるテンさん、とっても魅力的で本当に好きです！！素敵なお話読ませていただけて幸せです！ (2022年1月29日 12時) (
レス) @page50 id: 3a63272b29 (このIDを非表示/違反報告)
ハリ(プロフ) - リュイさん» コメントありがとうございます！長らくお待たせして本当にすみません。活動をやめた訳ではなくて、今は試行錯誤を重ねている段階なので、いいお話が出来たらそのとき皆様にお見せしたいと思っています！ので、もうすこしお待ちくださいね！いつもありがとうございます！ (2021年12月28日 3時) (レス) id: 86d42c940d (このIDを非表示/違反報告)
リュイ - ハリ様、もう活動はしないのでしょうか… (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2183f1b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 初コメお邪魔します(^^)このお話大好きでした！テンくんが大好きなのですが…読むと一時的に私にクン哥期がやって来たりも(*^^*)お話の中で最終的にテンくんと直感的に通じ合える存在になれて、とても幸せでした(*^o^*)またいつか新作が読める日を待っています！ (2021年8月15日 15時) (レス) id: 14837b160d (このIDを非表示/違反報告)
Kiki(プロフ) - 完結おめでとうございます好きです〜(;_;)(;_;)(;_;)また楽しみがひとつ減ってしまう、、かなしい、、、 (2021年8月14日 9時) (レス) id: 8611e65663 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハリ
| 作成日時：2021年1月18日 22時
