94. ふたりの時間 ページ44
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「…は、ジョンウ、くるし…んん」
何度も角度を変えて繰り返されるキスの途中、ジョンウの舌が私の唇をこじ開けて滑り込んでくる。
絡んでは離れて、私の身体中の酸素を奪っていく。
これはだめだ、私死んじゃう。
思いっきり肩を押してジョンウを私から剥がすと、ジョンウはそれでもお構いなしに私に抱きついた。
「…はあ、はあ、あんたほんと信じられない…」
「なんか…ぐうううって込み上げて来て」
「なにが…」
「愛しさ？好きだーっていうのが、吐き気みたいに込み上げてきた」
ああ、もう、この男は。
素直でよろしい、いとおしい。
ジョンウの腕を伸ばして勝手に枕にする。
途中で首が痛くなるのが嫌で、二の腕の付け根の太いところに頭を置いてジョンウに抱きついた。
「うわ、モモって大胆〜」
「腕が寂しそうだったから」
「腕枕首痛いから嫌だっていうじゃんいつも」
「今日はちゃんと対策済み」
ふ〜ん、と興味なさそうにジョンウが目を閉じるのを見つめて、わたしもまた目を閉じる。
贅沢な時間の使い方。
ジョンウに出会うまでは、こうやってダラダラ過ごすのってなんだかもったいなく感じてたけど。
この大きくてちっちゃい変な隣人と一緒にいる時間は、
流れていく時間をぎゅっと掴んで離したくないくらいには愛おしい。
「だいすきだよジョンウ、ほんとに」
「…」
「もう当分言わないから忘れずに覚えておいて」
目を閉じているジョンウ。聞こえてるんだか聞こえてないんだか、私の言葉に何も反応しないでただ私の体に片足を乗せてぎゅっと抱きしめてくれる。
ジョンウの足の重みが無駄に心地よくて気付いたら眠ってしまっていて、次に目を覚ましたら1時間程経っていた。
「お腹すいた…」
ジョンウから逃げるように抜け出して自分の家に戻ってお湯を沸かす。
家に残っていたふたつのカップ麺のうち、悩んだ末にジョンウが選ばないであろう方を取り出した。
私って本当にジョンウに甘い。
本当は私だってこっちがいい、だけど。
ジョンウがハッピーなほうが、絶対に良い。
「…あ」
だらだらとお湯が沸くのを待っている間に、ふと思いついたこと。
紙とペンを用意して、頭に浮かんだ通りに文字を書き落としていく。
自分が何をしてるのかなんて自分が一番分かっていないけれど、とにかく手が動くのに任せて、大きく丁寧に字を並べた。
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もゆ - 神作品の記念すべき400票目の投票をさせていただきました…！2作品分？一気に読んだのですがもう、他ペンの私から見てもジョンウってこういうあったかい人やんね〜っていう謎の共感?!というか人柄が綺麗に表現されてて感動しました！ありがとうございました！！ (2021年5月21日 0時) (
レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
Sar - やっぱり天才です(涙) (2021年5月10日 16時) (レス) id: 3eb67c9a03 (このIDを非表示/違反報告)
peko(プロフ) - はじめまして！面白くて一気読みしてしまいました！(笑)結末まで可愛いのがさすがキムジョンウ！ってなりました！！キュンキュンもありモヤモヤもあり…でもキュンキュンさせてくれる素敵なお話でした！どうか結婚まで…と続編を希望してます！笑笑 (2021年4月29日 21時) (レス) id: a8c9f227dd (このIDを非表示/違反報告)
ハリ(プロフ) - ろんさん» ろんさまお返事遅くなって申し訳ありません(TT) その一言が頂けたことが最高にうれしいです…楽しんで頂けたなら本当に良かったです。読んでくださってありがとうございました(TT) (2021年4月21日 21時) (レス) id: 86d42c940d (このIDを非表示/違反報告)
ろん - 凄いきゅんきゅんしました（しあわせ） (2021年4月9日 20時) (レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハリ
| 作成日時：2020年12月18日 12時
