90. うそつき ページ40
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こんな状況に、私がいて大丈夫なんだろうか。
ていうより、なにこの状況。
ジョンウを見つめていたボラムちゃんは、たまらず両手で顔を覆った。
そんな彼女を見るジョンウの顔は感情を失ったみたいな真顔。
「…とりあえず座れば」
このまま帰したらもっと面倒なことになると察したのかジョンウがそう促してボラムちゃんがソファに座る。
ハンカチを取り出して目元を拭うのを、私はただぼーっと眺めることしかできなかった。
「言いたいことがあるなら言ってさっさと帰って」
2人の視界に入らないように、でも逃げたと思われるのも嫌で後ろのダイニングテーブルに腰掛けて、
そこから聞くジョンウの声には、いつもの、あの温かさがない。
「なんで、何でオッパはいつもそうなの？そりゃあ、私も寂しかったとはいえ間違ってた…いくらオッパが優しくしてくれないからって、他の人のところに行ったのは良くなかった」
「…」
「私はただ気づいて欲しかっただけなの、オッパのこと、今も大好きなの」
「…」
「だから、チャンスがあるならもう一回謝ろうって…」
人のせいにするんだ。
ジョンウがあのとき何度もボラムちゃんを掴もうとした手に気付きもしなかったくせに、今になって寂しさを言い訳して、ジョンウのせいにして、彼を簡単に傷付けた。
そもそも寂しかったなんてよく言えたもんだ。
ボラムちゃんが嘘をついてたときも、ジョンウはずっとボラムちゃんのことを待ってたのに。
ジョンウは簡単に傷付けていい人じゃない。
何度もあなたのごめんねだけを、ほんとのことなんて何も見えなくてもたったそれだけを信じてたのに。
自分の方に向けられていた手を先に振り払ったのはボラムちゃんの方。
だけど私に何かを言う資格はどこにも無くて、大声で怒鳴りたいのを我慢して自分の手を見つめていた。
「…オッパ、ごめんなさい」
「…」
「オッパのせいだよって言いたいけど、でも、ごめんなさい」
「…」
「…私たち、やり直せるよ」
床に座っているジョンウは彼女から溢れる言葉を全て受け取って、咀嚼して飲み込んでいるはずなのに、それでも真顔だった。
ジョンウはやり直せないよ。
私がいるもん。
「ああ、ちょっと言われたら結局モモも行っちゃうんだ」って、言わせたくない。
駄々こねても別れてあげないもん、私。
そして私は気付いている。
ボラムちゃんの嘘泣きにも、演技にも。
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もゆ - 神作品の記念すべき400票目の投票をさせていただきました…！2作品分？一気に読んだのですがもう、他ペンの私から見てもジョンウってこういうあったかい人やんね〜っていう謎の共感?!というか人柄が綺麗に表現されてて感動しました！ありがとうございました！！ (2021年5月21日 0時) (
レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
Sar - やっぱり天才です(涙) (2021年5月10日 16時) (レス) id: 3eb67c9a03 (このIDを非表示/違反報告)
peko(プロフ) - はじめまして！面白くて一気読みしてしまいました！(笑)結末まで可愛いのがさすがキムジョンウ！ってなりました！！キュンキュンもありモヤモヤもあり…でもキュンキュンさせてくれる素敵なお話でした！どうか結婚まで…と続編を希望してます！笑笑 (2021年4月29日 21時) (レス) id: a8c9f227dd (このIDを非表示/違反報告)
ハリ(プロフ) - ろんさん» ろんさまお返事遅くなって申し訳ありません(TT) その一言が頂けたことが最高にうれしいです…楽しんで頂けたなら本当に良かったです。読んでくださってありがとうございました(TT) (2021年4月21日 21時) (レス) id: 86d42c940d (このIDを非表示/違反報告)
ろん - 凄いきゅんきゅんしました（しあわせ） (2021年4月9日 20時) (レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハリ
| 作成日時：2020年12月18日 12時
