88. 幸せのつづき ページ38
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完全にスイッチ入ってる、けど。
「ちょっと待っ…」
そういうこと自体は初めてじゃないけど、付き合ってまだ1、2ヶ月くらいのわたしたちが
長い夜を過ごすのは初めてだった。
「ねジョンウ待って、あの」
「待って待ってってさあ、ぼくもう1ヶ月以上待ってますけど。」
はあああ、と呟いて私から体を離したジョンウが、サラサラで落ちてくる髪をかきあげてつぶやく。
嫌じゃない。嫌じゃないんだけど。
「ちが、嫌なんじゃなくて」
「じゃあなに」
「あのさ、」
ジョンウの手を探して手を動かしたら彼の人差し指が触れて、そこからたぐり寄せるみたいに、ギュッと握る。
私、大事なこと、言ってない。
「…もう、どこにもいかないで」
ぽろっと涙が流れる。
さっき泣かないって決めたのに。
ジョンウの前では、私の誓いなんて指先でシャボン玉を弾くみたいに簡単に崩れ去る。
好きが勝ってしまう、どうしても。
私がまた一粒だけ涙を流したら、ジョンウはそれを唇で掬った。それはそれは、とっても優しい笑顔で。
「…モモのばか。」
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朝。
わたしは完全に服を着て、何も変わらずジョンウの抱き枕になって眠っていた。
「…仕事！」
「何言ってんの…土曜だよ」
「は、そっか」
バッと起き上がった私をまた倒して、ほっぺにちゅ、と唇を付けた。
目が開いてないジョンウ。
薄く閉じた瞼の上をさらさらと流れる毛先さえ可愛くてどうしようもない。
「モモ、目腫れてる」
「泣かせるからでしょ」
「そんなによかっ」
「そうじゃない！！！」
平凡な日常が、戻ってきた。
2人ともベッドから抜け出せないで私はしがみつくみたいに腰に手を回して、ジョンウは私の頭を抱きしめるこんな瞬間が、私にはすごく怖い。幸せで。
「…さいあく」
寝起きで声が出なくてガサガサの声で呟いた私の一言でさえ、漏れなく拾ってくれるジョンウ。
「何が」
「わたし、バカップルにはなりたくなかったのに」
「…」
「こんなバカップル…神様が見たら怒る」
「それはもう神様の嫉妬じゃん」
「あ。雷の神様に怒られるよあんまりバカにしたら」
「ズズズズ」
「もしかして…あなたが雷の神…」
「ハイ、おつかれさまでした」
「ねえ！！！！」
《ピーンポーン》
世界一愛おしくてつまらない幸せのつづきを遮ったのは、インターホンだった。
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もゆ - 神作品の記念すべき400票目の投票をさせていただきました…！2作品分？一気に読んだのですがもう、他ペンの私から見てもジョンウってこういうあったかい人やんね〜っていう謎の共感?!というか人柄が綺麗に表現されてて感動しました！ありがとうございました！！ (2021年5月21日 0時) (
レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
Sar - やっぱり天才です(涙) (2021年5月10日 16時) (レス) id: 3eb67c9a03 (このIDを非表示/違反報告)
peko(プロフ) - はじめまして！面白くて一気読みしてしまいました！(笑)結末まで可愛いのがさすがキムジョンウ！ってなりました！！キュンキュンもありモヤモヤもあり…でもキュンキュンさせてくれる素敵なお話でした！どうか結婚まで…と続編を希望してます！笑笑 (2021年4月29日 21時) (レス) id: a8c9f227dd (このIDを非表示/違反報告)
ハリ(プロフ) - ろんさん» ろんさまお返事遅くなって申し訳ありません(TT) その一言が頂けたことが最高にうれしいです…楽しんで頂けたなら本当に良かったです。読んでくださってありがとうございました(TT) (2021年4月21日 21時) (レス) id: 86d42c940d (このIDを非表示/違反報告)
ろん - 凄いきゅんきゅんしました（しあわせ） (2021年4月9日 20時) (レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハリ
| 作成日時：2020年12月18日 12時
