53. 異変 ページ3
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「じゃあ…寂しさ？」
「先輩！先輩だって寂しいくせにー！」
「私もう寂しくないもん」
左手の甲を私に向ける。薬指には綺麗なリング。
「せ、先輩！おめでとうございます！…もっと体調悪くなりそう」
ごめんって〜と笑ってからかばんから薬を取り出して私に握らせ、お水まで頼んでくれた。
体調悪い原因は、分かってるんだけど。
「あ、あの、今ちょっと収まってきちゃったので、もうちょっと辛くなったときに取っておいてもいいですか？」
「もちろん。好きなときに飲んで。絶対無理しないでね」
先輩とカフェを後にして席に戻ると、ジョンウは何食わぬ顔で私を見て、「おかえり」とつぶやく。
「ただいま」
「何食べたの」
「パスタ」
「誰と」
「チーフ」
なんだかぎこちない。
モヤモヤしてジョンウの顔を見ることもできない。
あんな会話しておいてよく平気でいられるね、ほんとにさあ。
「…どしたの」
「べつに？何が？」
「モモ変…」
なんの確証もないのに疑って冷たくなるなんて、私って本当に頭悪い。
でもしょうがないじゃん。
好きなんだもん。
私以外の子のことを好きかもしれないなんて考えたら…いや、考えるのも無理。
ちょっと居心地の悪い空気のまま定時まで仕事を頑張って、テイルさんにもういいよって言われた瞬間にジョンウを待たずに帰ってきた。
私って面倒な女すぎる。
気になることがあるなら言えばいいのに、
言わないで察してもらおうとしてる。
言わないというか、言えないというか。
、
モヤモヤしたまま家に着いてお風呂に入る。
気分転換に入浴剤を入れて、いつもと違う高いシャンプーを使ってみた。
こんなことで気が晴れるわけない！と思ってたけど、やっぱりしないよりはマシ。
いつもよりちょっと女の子って感じがする。
お風呂から上がると、ジョンウがソファでテレビを眺めていた。
「お風呂だったの？どこ行ったのかと思った」
「うん」
「おいで」
行きたいけど、行ったら怒って泣いてしまいそうで立ち尽くす。
「モモ本当どうしたの、なんかあるなら言って」
いやいや。ジョンウが浮気なんて器用なマネできるはずないよ。
頭の中のモヤモヤを必死で振り切ってジョンウに抱きつく。
「シャンプー変えたでしょ、匂い違う」
ボラムちゃんと、どんな関係なの。
聞き出せないのを、腕の力を強めることでごまかした。
.
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もゆ - 神作品の記念すべき400票目の投票をさせていただきました…！2作品分？一気に読んだのですがもう、他ペンの私から見てもジョンウってこういうあったかい人やんね〜っていう謎の共感?!というか人柄が綺麗に表現されてて感動しました！ありがとうございました！！ (2021年5月21日 0時) (
レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
Sar - やっぱり天才です(涙) (2021年5月10日 16時) (レス) id: 3eb67c9a03 (このIDを非表示/違反報告)
peko(プロフ) - はじめまして！面白くて一気読みしてしまいました！(笑)結末まで可愛いのがさすがキムジョンウ！ってなりました！！キュンキュンもありモヤモヤもあり…でもキュンキュンさせてくれる素敵なお話でした！どうか結婚まで…と続編を希望してます！笑笑 (2021年4月29日 21時) (レス) id: a8c9f227dd (このIDを非表示/違反報告)
ハリ(プロフ) - ろんさん» ろんさまお返事遅くなって申し訳ありません(TT) その一言が頂けたことが最高にうれしいです…楽しんで頂けたなら本当に良かったです。読んでくださってありがとうございました(TT) (2021年4月21日 21時) (レス) id: 86d42c940d (このIDを非表示/違反報告)
ろん - 凄いきゅんきゅんしました（しあわせ） (2021年4月9日 20時) (レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハリ
| 作成日時：2020年12月18日 12時
