17 ページ17
.
次の日の朝。
音楽を聴きながら歩いていてなんとなく昨日のことを思い出した。
昨日、チョンジェヒョン先輩と初めて話して、
彼はちょっと変わった人なのかもしれないと気付いた。
まあ、変わってても変わってなくても別に私には関係ない。
私が関わるべき人種じゃないし。
チラッと見える先輩の靴箱には靴が入ってなくて、まだ来てないんだなあなんて呑気に考えていたら。
誰かが、私の頭頂部を大きな手でUFOキャッチャーみたいにガシッと掴んだ。
「モモおはよう」
「あ…チョン、ジェヒョン、先輩」
「それなんなの？ジェヒョンでいいよ」
「え…チョン先輩？」
「ジェヒョンオッパ」
お、オッパ…？？
「いや、無理です、先輩なのに」
「先輩がオッパって呼んでって頼んでるけど？」
いや〜…オッパって…
最近休みの日に韓国語勉強に通ってるカフェの店員さんはヨンホオッパって呼べるけど…
私がいつまで経っても呼ばないでモジモジしていると、痺れを切らした先輩は、
「呼ぶまで言い続けるから」
とニヤッと笑って、歩いて行ってしまった。
変な人に絡まれた。ただシンプルにそれだけを思って靴を履き替えて私も靴箱を離れた。
教室に入ると、リジちゃんが凄い勢いでこちらにやってきた。
「おはようモモ」
「おはよう！」
「私、今日、見ちゃったの。」
「何を？！気になる！」
「…モモ！ジェヒョン先輩とどういう関係？！」
何かと思ったら、それ？
何にもないよ別に。
「……どういうって…？ただ、ドンヒョクの知り合いってだけだよ」
「でも頭まで触られてた！」
「触られたっていうか、掴まれたの。なぜか」
リジちゃんは、自分が飲んでいたジュースのパックをぎゅっと握りつぶした。
「ジェヒョン先輩、学校イチのモテ男だよ」
そう言われても、
でしょうね。くらいしか思い付かない。
それと、私の高校生活が本格的に終わるかもしれないってこと。
大して可愛くもない私が
ドンヒョクどころか学校イチのモテ男にまで絡まれそうになってるなんて知られたら、この世の終わりだ。
「モモ、どうしたの？顔」
「あ、ううん、…うん、なんでもない」
「なになに」
「…会いたくない、チョンジェヒョン」
「贅沢！」
「いや…ほんとに。」
会いたくない。ほんとうに。
私の平穏な生活を守るためには、チョンジェヒョン回避。これに限る。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リュイ - ヘチャン君と学生って最強ですよね…ハリ様のお話大好きです。特にこの作品が好きで…これからも頑張って下さい。 (2021年11月11日 7時) (
レス) id: 2183f1b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
もゆ - あと、しつこい学園一のモテ男な読めないジェヒョン先輩最高でした、、、、出会いてぇです、、メカウィッシュ (2021年5月18日 0時) (レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
もゆ - あの、じぇの御話から追ってハリ様の一番下の作品を読ませていただきました、もう、あの、ほんまに大好きで、途中泣きそうになりながらも楽しくキュンキュンしながら読みました、、！大好きです、明日テストですが手につかなくなりそうです(笑)ドンヒョクのせいだ〜！！ (2021年5月18日 0時) (レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
ハリ(プロフ) - nctLoveさん» うわーん返信遅くなって本当に申し訳ないです（ ; ; ）全然平気です謝らないでください(TT)読んでくださって本当にありがとうございます（ ; ; ）ジョンウさん大好き人間なので好きなように書きまくってますが、そちらも引き続きよろしくお願いします(TT)（笑） (2020年9月11日 5時) (レス) id: ffa1c6661f (このIDを非表示/違反報告)
nctLove - ハリさん» ｢ス ｣が1つ多いことにきずきました。申し訳ございません!! (2020年8月6日 17時) (レス) id: 173906b15c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハリ
| 作成日時：2020年7月1日 1時
