夜食代行(いづみ) ページ49
綴side
｢ふぅ……｣
文字を打ち込む手を止めて、椅子の背もたれに寄りかかる。
(全員主役なぁ……)
話の続きに詰まるのはこれで何度目だろう。
言うまでもなく、俺は夏組の脚本に頭を悩ませていた。
｢……はぁ｣
進まない手と思考にため息が出る。
前回の春組とは違い、今回の夏組は全員が主役をやりたがっていて。
その要望を叶えてやるのも脚本の仕事だ、なんて思ってみたものの……。
(やっぱ全員台詞量多いと骨が折れる……)
無事に書き終われるかこれ？
まだ初日なのに、そんな事ばかり考える。
｢……Aさん、どうしてんだろ｣
一人で不安になってる途中、ふとAさんの事を思い出した。
そういや春組の脚本で詰まった時も、毎日夜食作って背中押してくれたっけ。
『俺ファン第一号だし』
そうやって言って貰えるとなんかいい脚本が作れる気になるんだよな。
夜食も毎回美味いし、マジでAさんパワー恐るべし。
｢綴、ちょっといい？｣
｢あ、はい！｣
ぼんやりしてたら、ノックと一緒に至さんの声が聞こえてきた。
シトロンさんと咲也の声もするし、多分三人で来たみたいだ。
それにしても至さんが来るなんて珍しいな。
いつもはゲーム時間だって部屋籠るのに。
｢作業おつ〜｣
｢失礼します！｣
｢邪魔するヨ！｣
一言断りを入れ、部屋に入ってきた三人。
たちまち部屋の雰囲気が暖かくなる。
｢どうしたんすか？｣
｢これ｣
言いながら、俺の両横と前に輪になって座る至さん達。
その中心に置かれた平皿には、湯気の立ち込めたおにぎりがそれなりの量積まれていて。
｢俺達、綴くんの夜食を作るようAさんに頼まれたんです｣
｢そゆこと。脚本で大変だろうからってさ｣
｢作ったらワタシ達もハラヘリしたヨ！｣
一緒に食べるネ〜！
そう言って、俺の方を見る三人。
それがなんか分かんないけど嬉しくて、胸がいっぱいで。
｢〜っ、いただきます！｣
恵まれてんなと思いながら、暖かいおにぎりに手を伸ばした。
口に入れた途端、広がる丁度いい塩加減と優しい温かさ。
｢美味い……っ｣
そんな俺に、三人も嬉しそうに顔を見合わせる。
｢よかったです！｣
｢よかったネ、イタル｣
｢ま、ゲーム止めた甲斐はあったかな｣
｢三人共、本当ありがとうございます｣
｢礼ならあいつにも言っといて｣
｢っす！あー、Aさんマジで神すぎる……｣
今すぐにでもお礼しよ。
俺はおにぎりと皆の写真を撮って、AさんのLIMEに送った。
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祐(プロフ) - 梨さん» 同じ推しの方に出会えてポンコツ厨の私大歓喜です＼( 'ω')/ﾊﾞｯ いいですよね.........え、おま、監督に惚れ、ちょ、チョロ〜！！ってなった瞬間彼が推しになりました(昇天) (2018年8月12日 23時) (
レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - おんぷさん» コメントありがとうございます！グダグダで薄っぺらくならないよう気をつけてるのでそう言って頂けると励みになります！応援感謝です＼( 'ω')/ﾊﾞｯ (2018年8月12日 22時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - アイトさん» コメントありがとうございます！この作品に時間を割いて下さった上に面白いと言って貰えてとても嬉しいです！頑張らせていただきます＼( 'ω')/ﾊﾞｯ (2018年8月12日 2時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
梨(プロフ) - まさかの最推しが同じでとても嬉しいです……ポンコツ尊い(クソコメ失礼します) (2018年8月10日 1時) (レス) id: f85cb309ef (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ(プロフ) - 毎回、更新のたびに楽しく読ませていただいております！ペースがゆっくりな分、内容が濃いし面白いので、このまま続けて欲しいなと私は思います！これからも頑張って下さい。応援しております！ (2018年8月10日 0時) (レス) id: 7e9d265bdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐 | 作成日時：2018年7月19日 1時
