時間をかけて(速水) ページ47
扉を開けるなり、積みに積もったゴミ山を発見してしまった俺。
｢……｣
声も出ずにその場に固まる。
なんだこれ、こんなのテレビでしか見た事ないぞ。
｢おい、大丈夫か？｣
一人放心していると成瀬が追ってきた為、とりあえず説明を貰おうとゴミ山を指さす。
｢一応聞くけど、これ何｣
すると成瀬は数秒の間どこか斜め上の方を見つめ、それから今日一番のいい笑顔で、
｢生活感あるだろ！｣
グッと親指を突き立てて俺に見せてきた。
｢……｣
イラッときて思わず蹴りを入れた俺は悪くないと思う。
＊＊＊＊
とりあえず料理を献上した方がいいという成瀬の提案の元、ゴミ山を後にした俺達は料理を作る事に。
冷蔵庫を開け、入っていた材料を適当に取り出す。
にしても全部期限ギリギリだなおい。
｢普段何食ってんだよ……｣
一軒家の人の弟子って事は、大方成瀬もここ住んでるんだろ？
そう思って料理出来ないのか聞いてみたが、性に合わなかったんだと。
｢試しにやったらそこら中真っ赤になっちまってよ！｣
なんて言い出したから即黙らせた。
裁縫やる人間にとっちゃ一番まずいだろ手は……。
｢ーーーとまぁ、そんな感じだな！｣
｢へぇ、凄いな……っと、よし出来た｣
それから成瀬に弟子になった経緯とかを色々聞いてる内に料理が出来上がり、盆に乗せて衣装さんのいる部屋に戻る。
さっきのがかなり怖かったんで、頼んで成瀬に運んで貰いました。
｢姉さん！出来たっす！｣
盆を持ち、足で雑に扉を開いた成瀬。
……あ、姉さん呼びの理由聞くの忘れた。
｢よっしゃ！でかした成瀬！｣
ばっとこちらに振り返り、凄い勢いで走ってきたその人。
作業台から離れた小さなテーブルに盆を置くと、俺らに構わずがっつき始めた。
どれだけ腹減ってたんだよ。
呆れながら、俺は改めて部屋を見回す。
(……ここが作業場か)
何冊ものファイルや資料が並んでる棚に、アイデアスケッチ用と思われるキャンバス。
真ん中の広い机には布や複数の飾りが広げられていて、多分依頼用で作っている衣装なんだろう。
まさに作業場って感じだ。
俺のいた劇団は衣装はその道のプロに頼んでたらしいし、その時頼まれてた人達もこんな環境だったのかもしれない。
(そりゃ大変……だよな)
改めて、幸の衣装が切られる遠い未来を思い浮かべる。中学生な分質が劣るとはいえ、衣装に込めてる思いは変わらない筈だ。
だからこそ、太一にその重みを一生背負わせるような結末にはしたくない。
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祐(プロフ) - 梨さん» 同じ推しの方に出会えてポンコツ厨の私大歓喜です＼( 'ω')/ﾊﾞｯ いいですよね.........え、おま、監督に惚れ、ちょ、チョロ〜！！ってなった瞬間彼が推しになりました(昇天) (2018年8月12日 23時) (
レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - おんぷさん» コメントありがとうございます！グダグダで薄っぺらくならないよう気をつけてるのでそう言って頂けると励みになります！応援感謝です＼( 'ω')/ﾊﾞｯ (2018年8月12日 22時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - アイトさん» コメントありがとうございます！この作品に時間を割いて下さった上に面白いと言って貰えてとても嬉しいです！頑張らせていただきます＼( 'ω')/ﾊﾞｯ (2018年8月12日 2時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
梨(プロフ) - まさかの最推しが同じでとても嬉しいです……ポンコツ尊い(クソコメ失礼します) (2018年8月10日 1時) (レス) id: f85cb309ef (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ(プロフ) - 毎回、更新のたびに楽しく読ませていただいております！ペースがゆっくりな分、内容が濃いし面白いので、このまま続けて欲しいなと私は思います！これからも頑張って下さい。応援しております！ (2018年8月10日 0時) (レス) id: 7e9d265bdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐 | 作成日時：2018年7月19日 1時
