助監督の意図 ページ31
いづみside
壁を走って階段を飛び、談話室の方に向かった三角くん。
(一体何者なの!?)
本当に人間!?
やる事全部が規格外過ぎるよ!
「や、やっと追い付いた……って」
そんな彼を息も絶え絶えに追いかけて来てみれば、そこには何故かシトロンさんとおにぎりを食べながら言い合う三角くんが。
「それワタシのおにぎりネ!」
「もう俺のだよ〜」
話的にシトロンさんが食べようとしてたおにぎりを盗んだのかな。
あのシトロンさんが動揺するなんて珍しい。
(って思ってる場合じゃない!)
今は三角くんに集中しないと!
また逃げられてももう追いかける元気ないし!
まずは話をしよう!
そう考えて、呼吸を整えてから話しかける。
「三角くん、どうして寮に住んでるの?」
「行く所がないのと、Aがいるから!」
「Aくん?」
「うん!Aは俺に、ずっと一緒にいるって言ってくれた。だから俺ここにいる!」
これはまた……Aくん相当懐かれちゃってるみたい。
話してるだけで凄いAくんを好きなのが伝わってくるもの。
「あだ名偽善者じゃなくて無差別プレイボーイにすれば良かった」
「はやみんモテモテじゃん!」
「安心して。俺は絶対監督一筋だから」
Aくんと仲のいい皆も呆れてるし、天馬くんなんていかにも面白くなさそうな顔してる。
(大体、ずっと一緒だなんてそんな勝手にーーー!)
そこまで考えた時、私はある考えに辿り着いた。
警察に連れていこうと提案する支配人を止めて、三角くんの名前を呼ぶ。
「お芝居って知ってる?」
私の言葉に、三角くんは大きく頷いた。
同時に、皆も私の考えを察したみたいで目を見開く。
「知ってるよ〜!ここのやつも見たから!」
「え!?ロミジュリ見に来てたの!?」
驚きのままに尋ねると、変わらない笑顔でもう一度頷かれた。
なんでも千秋楽を見に来るようにって、Aくんからチケットを渡されていたみたい。
春組の台本も読ませてもらった事があるんだって。
(やっぱり……)
それを聞いてようやく、私はAくんの意図を理解した。
見抜いてたんだ。
三角くんの壁を走ったり階段を飛び下りる程の身体能力、そして多分ーーー三角くんの持つ何かしらのセンスを。
助監督自らの推薦なら当然私も文句なんてないよね。
「なら……」
考えすぎかなって自分でも思う。
でも、私は私で、三角くんに可能性を感じたから。
「お芝居をするのには興味ある?」
自分の直感を信じよう。
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祐(プロフ) - 梨さん» 同じ推しの方に出会えてポンコツ厨の私大歓喜です\( 'ω')/バッ いいですよね.........え、おま、監督に惚れ、ちょ、チョロ〜!!ってなった瞬間彼が推しになりました(昇天) (2018年8月12日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - おんぷさん» コメントありがとうございます!グダグダで薄っぺらくならないよう気をつけてるのでそう言って頂けると励みになります!応援感謝です\( 'ω')/バッ (2018年8月12日 22時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - アイトさん» コメントありがとうございます!この作品に時間を割いて下さった上に面白いと言って貰えてとても嬉しいです!頑張らせていただきます\( 'ω')/バッ (2018年8月12日 2時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
梨(プロフ) - まさかの最推しが同じでとても嬉しいです……ポンコツ尊い(クソコメ失礼します) (2018年8月10日 1時) (レス) id: f85cb309ef (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ(プロフ) - 毎回、更新のたびに楽しく読ませていただいております!ペースがゆっくりな分、内容が濃いし面白いので、このまま続けて欲しいなと私は思います!これからも頑張って下さい。応援しております! (2018年8月10日 0時) (レス) id: 7e9d265bdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐 | 作成日時:2018年7月19日 1時