自由人逃亡 ページ30
｢定規とキーホルダー？｣
｢そうだよ〜！さんかくさんかく〜！｣
いづみが呟くと、三角は頷きながらその場で数回飛び跳ねた。
着地する度カチンとぶつかり合う二つのプラスチックが、まるで自分達の存在を主張しているようにも思える。
そんな中、数秒の沈黙を破ったのは他でもない無関心男ーーー真澄だった。
｢それで、捕まえる？｣
準備は出来てるとばかりに視線を向けられ、いづみはすぐに次の行動を考える。
後ろで支配人も言っているが、確かに彼は不法侵入者だ。
例え悪人でなくとも一応は警戒しておくべきだろう。
最も、真澄の後ろから小声で話す支配人もどうかとは思うが。
｢そうだね、Aくんにも説明してもらわないと｣
そんな二人のやりとりを聞いて、三角は身に起こる危険を察知したらしい。
｢このおにぎりはダメ！俺のだよ！！｣
それだけ言うと、全員の間をすり抜けるようにして部屋から飛び出した。
｢優先順位おにぎりかよ……｣
｢とっ、とにかく追いかけなきゃ！｣
天馬の最もである呟きを最後に、いづみ達も三角を追うべく駆け出す。
(ちょっと！やっぱり三角くんだったの！？)
ドタバタと騒がしく動き回る三角。
その彼こそ、ここ数週間起きていた不可解な現象や物音の原因であるといづみは知る。
そして前を走る三角の次の行動を見て、全員が目を見開いた。
｢！？｣
｢すげー！壁走ってる！｣
｢なんて身体能力だ……｣
軽快さを感じさせるアクションに、各々ある種の感動を抱かざるを得ない。
｢寮の廊下、いや壁も走ってはいけません！｣
支配人だけは着眼点が違うが。
｢むむ〜！いいにおい！｣
突然、三角の進行方向が変わり、その足は談話室へと向けられる。
そこでは、シトロンが三個おにぎりの乗った皿を持ち、楽しそうに鼻歌を歌っていた。
｢ふんふんふ〜ん、今日のお昼はおにぎりネ〜！｣
そう言って一つを手に取り勢いよく頬張る。
｢Aのおにぎりゼピンダヨ〜！｣
｢おにぎり！｣
瞬間、シトロンの手にしていた皿からおにぎりだけが姿を消す。
そして残ったのは、シトロンの手にあるおにぎり一つのみで。
｢ワタシのおにぎりどこネ！？｣
｢おいしい〜！｣
気づけば二つとも、三角の手に一つずつ収まっていた。
｢キミ、誰ダヨ！？｣
慌てるシトロンを気にすることなく、ひたすらにもぐもぐとおにぎりを頬張る三角。
｢おれ？おれ三角〜！｣
それからいづみ達が来るまでの数秒間、二人の掛け合いは続いた。
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祐(プロフ) - 梨さん» 同じ推しの方に出会えてポンコツ厨の私大歓喜です＼( 'ω')/ﾊﾞｯ いいですよね.........え、おま、監督に惚れ、ちょ、チョロ〜！！ってなった瞬間彼が推しになりました(昇天) (2018年8月12日 23時) (
レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - おんぷさん» コメントありがとうございます！グダグダで薄っぺらくならないよう気をつけてるのでそう言って頂けると励みになります！応援感謝です＼( 'ω')/ﾊﾞｯ (2018年8月12日 22時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - アイトさん» コメントありがとうございます！この作品に時間を割いて下さった上に面白いと言って貰えてとても嬉しいです！頑張らせていただきます＼( 'ω')/ﾊﾞｯ (2018年8月12日 2時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
梨(プロフ) - まさかの最推しが同じでとても嬉しいです……ポンコツ尊い(クソコメ失礼します) (2018年8月10日 1時) (レス) id: f85cb309ef (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ(プロフ) - 毎回、更新のたびに楽しく読ませていただいております！ペースがゆっくりな分、内容が濃いし面白いので、このまま続けて欲しいなと私は思います！これからも頑張って下さい。応援しております！ (2018年8月10日 0時) (レス) id: 7e9d265bdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐 | 作成日時：2018年7月19日 1時
