夏組待ち ページ2
春組公演が無事終わり、打ち上げをしたその翌日。
次期夏組を背負うメンバーを見る為、俺達はオーディション会場であるMANKAI劇場に集まっていた。
「それじゃあ、参加者が来るまで自由にしてていいからね」
監督さんからの指示にそれぞれが返事をするも、春組の皆は疲れが残っているらしく生返事になってしまっている。
そりゃそうだよな。
俺だって全公演終わった次の日は必ず仕事も稽古も入れないで一日中爆睡してた位なんだから。
数ヶ月の稽古で乗り切った咲也達なんて尚更だろう。
それほど急ピッチでやらなきゃならないって事なんだろうけどさ。
「マンツーマンでしたね」
「何も聞かれずに即採用って言われました」
いやもういいって支配人のクソ面接話は。
てか咲也はなぜそれで入ろうと思えたのか。聞いてる限りじゃただの闇バイトじゃねぇか。
純粋って怖いな。
「は?技避けんじゃねぇよ雑魚のくせに動くな殺すぞ」
……二重人格も怖いな。
「至さん結局昨日はオールしたんです?」
「うん」
「すげぇー」
マジかよこの人人間じゃねぇ。
やっぱ腐った乙女の妄想からできたアンドロイドだなもうそうとしか思えない。
けど今回のランボ至さんの推しだからなぁ。俺は違うからのんびり勢だけど。
「オール……マジすか……」
そんな俺達に全力で引いている綴。
一緒にすんなと言いたい所だけど、実際俺の推しが来てたら至さんと同じ事してたし何も言えないよね。
「いや、オールどころか二、三徹なんてのはよくあるぞ」
「ほんそれ」
「三徹!?」
頷き合う俺達に、驚いたのか監督さんと咲也も会話に混ざってくる。
「眠くならないんですか?」
「いやなるわ。けどそれすら耐える」
全てはそう、
「「推しの為に」」
「誰かこのダメ人間二人を何とかしてくれ……」
ダメ人間バンザイ。
というか、俺からすればお前ら全員推しだからな。
最早次元どころか性別すらも超えて推し作り出してんだぞ俺。我ながら守備範囲広すぎる。
思っていると、劇場の入口のドアが勢いよく開いた。
(お)
入ってきたのはこれまた推しであるパリピコミュ男と毒舌ボーイ。
「こんちはー」
「どうも」
「あ!二人とも来てくれたんだね!」
現れた新メンバー候補に、監督さんは満開の笑顔を向けている。はい尊い推せる。
よく考えたら推しが推しと推しについて話し合ってる世界にいる俺って誰よりも勝ち組だよな。
もう自分でも何言ってんのか分かんないんだけど。
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祐(プロフ) - 梨さん» 同じ推しの方に出会えてポンコツ厨の私大歓喜です\( 'ω')/バッ いいですよね.........え、おま、監督に惚れ、ちょ、チョロ〜!!ってなった瞬間彼が推しになりました(昇天) (2018年8月12日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - おんぷさん» コメントありがとうございます!グダグダで薄っぺらくならないよう気をつけてるのでそう言って頂けると励みになります!応援感謝です\( 'ω')/バッ (2018年8月12日 22時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - アイトさん» コメントありがとうございます!この作品に時間を割いて下さった上に面白いと言って貰えてとても嬉しいです!頑張らせていただきます\( 'ω')/バッ (2018年8月12日 2時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
梨(プロフ) - まさかの最推しが同じでとても嬉しいです……ポンコツ尊い(クソコメ失礼します) (2018年8月10日 1時) (レス) id: f85cb309ef (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ(プロフ) - 毎回、更新のたびに楽しく読ませていただいております!ペースがゆっくりな分、内容が濃いし面白いので、このまま続けて欲しいなと私は思います!これからも頑張って下さい。応援しております! (2018年8月10日 0時) (レス) id: 7e9d265bdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐 | 作成日時:2018年7月19日 1時