素直さ検証 ページ6
さて。
料理も運ばれてきたし、そろそろ俺も行動に移るとしよう。
まずは天馬がどこまで俺の話を信用するのか、それを試さないとな。
｢……あのさ天馬｣
ナイフとフォークを手に取り、湯気の立ち込めた美味そうなハンバーグを食べようとする天馬を止める。
｢なんだよ｣
てっきり食べながら聞くのかと思ったが、俺の話を聞き流す気はないらしい。
こういう所が偉いんだよなぁと思いつつ、早くしろと急かすその視線に内心笑いながら俺は話を続けた。
｢ここの店のハンバーグなんだが、実は古い言い伝えがあってな。食べる前にこうやって手を合わせて願い事を唱えた後に食べると、その願いが叶うって言われてるんだ｣
手を合わせ、一応天馬にやり方を見せてやる俺。いやまぁやり方もクソもないけどな。
我ながらアホな事を言ったもんだ。
そんな肉の塊に願いを唱えて叶う程、世の中甘くないし。
｢……｣
｢どうした？｣
途端に黙り込み、目の前のハンバーグを見つめ出す天馬。嘘だろ？と言いたげな表情でハンバーグとにらめっこするもんだから、気を緩めればすぐに吹き出しそうになる。
｢あ、悪い天馬。電話来てたから席外すわ。先食ってていいから｣
｢あ、あぁ……｣
席を立ち、物陰に隠れる俺。
もちろん電話なんて来ていない。一人にした時にどう行動するかを試す為だ。
(さて、どうするかな……)
カメラを構え、天馬をズームで撮る。近い未来何かに使おう。
｢お｣
何を考えたのか、辺りを素早く見回す天馬。
そしてその手に持っていたナイフとフォークを置くと、手を合わせ始めた。
口が動いてるし、本当に俺の言った事を実践してるらしい。
その光景を見て、罪悪感を超えるレベルの笑いが込み上げてくる。カメラに俺の笑いが入ったのは仕方ないよなうん。
俺はすぐに携帯をしまい、ハンバーグへと手を付け始めた天馬の元へ戻る。
あからさまに驚くもんだからまた笑いそうになった。
｢あれ、まだ食べてなかったのか｣
｢ま、まぁな！丁度いい熱さまで冷ましてたんだ！｣
ハンバーグにお願い事してな。
まぁ、そこは敢えて言わないでやるけど。
それにしても、まさか俺のあんなでたらめを信じるとは。
素直すぎてこの先が心配だけど、とりあえずこれで天馬が大抵の話なら信じてくれる事が判明した訳で。
｢そう言えば話の途中だったよな……天馬の言う通り、俺は確かに芝居の経験がある｣
今まで誤魔化してきた相手の誰よりも、天馬が一番楽だろうと確信していた。
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祐(プロフ) - こずめさん» お返事遅くなりました！(名前変わっててすみません)もう文章からこの作品を好いてくれてるのが凄く伝わってきます私も貴方様が好きですありがとうございます。夏組編もよろしくお願いします！ (2018年7月21日 23時) (
レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - みかさん» お返事遅くなりました！本当ですか！？みかさんのA3!との出会いに関われたなんて嬉しいです！この作品書いてて良かったです・ﾟ・(つД｀)・ﾟ・ (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - イオリさん» お返事遅くなりました！そう言って貰えて凄く嬉しいですヽ( ´ ▽ ` )ノ私も夏組大好きです！ (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 翔香さん» コメントありがとうございます！大変お待たせ致しました！またこれからゆっくりではありますが続ける所存ですのでよろしくお願いしますヽ( ´ ▽ ` )ノ (2018年7月19日 16時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - Lilyさん» コメントありがとうございます！初期の頃からずっと支援してくださっていたなんて嬉しい限りですヽ( ´ ▽ ` )一応冬まで続ける所存ですので、これからも読んでやってくださいませ＼( 'ω')/ﾊﾞｯ (2018年7月19日 12時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐 | 作成日時：2018年3月13日 10時
