暴走さんかく ページ38
｢A……｣
｢だから元気出せって、な？｣
同意を求めるように聞くと、三角からひまわりのような笑顔が帰ってきた。
｢……分かった！おれAの事信じる！｣
こういう素直な所ほんと可愛いなこいつ。
これで年十九ってマジ？エグすぎ。
守ってみせようこの笑顔。
｢よしよし、帰ったら速攻でお前の分のおにぎりも作ってやるからな｣
｢ほんと！？たわらじゃない！？｣
｢直角三角形にしてやろう｣
｢直角三角形！？早くかえろ！｣
二人で手を三角形にしながら、俺は三角よりも先に寮のある方向へ歩き始める。
楽屋訪問や片付けなんかも結構あるだろうから、今から急いで作れば皆が風呂なり何なりを済ませて食卓に着く頃にはきっと完成する筈。
カレーは食材だけ煮込んどけば後は監督さんが手伝ってくれるだろうし。
(問題は作る順番だな。材料あるし、この前作った時みたいにピザ生地から……)
なんて考えている時だった。
｢えっ｣
急に足場がなくなり、視界が前から横へと移動する。
しかし身体が安定している理由は、膝裏と背中を支える二本の腕から成るもので。
上げた視線の先には、整った年下男子の顔が。
まさかこれって。
｢行っくよ〜！｣
ーーー所謂姫抱きである。
……いや待って！？何！？なんで！？今の流れでどうしたらこういう発想になんの！？え！？怖っ！！
｢ちょっ｣
｢それ〜！｣
俺が話すよりも早く駆け出したさんかく星人。
いつ道を覚えたのか、近道と言いながら商店街を駆け抜ける。
……ヤバい。ちょっとしたバスより早い。てかもうバス。運転荒すぎるバス！
｢み、三角さ、うわっ！｣
｢おにぎり！｣
何がおにぎりだよ俺はおにぎりじゃねぇよ止まれ！そして降ろせ！お願いします降ろして！
てか前見えてんの！？人！人いるって！
｢ちょ、ぶつかっ｣
｢急げ〜！！｣
｢ひっ！｣
おにぎりの事しか見えていないのか、言いながら勢いよく飛んで壁を走り出した三角。
正直もう終わったと思ったよね。
三角が壁走ってる時の俺の体制分かる？重力が普段の状態に戻ったよ？
俺はもうこいつを人間だとは思えません。
｢止まってくれ……っ｣
｢さんかくさんかく〜！｣
ダメだ……もうこいつ聞いてない。
聞いてないよ俺の話。もうこの声は届かないんだ。
お姫様抱っこってこんなにも危ないスポーツだったんだなぁ……。
途中で壁蹴りながら走るアクションが入るなんて知らなかったよ俺。
役者としてもっと勉強しようと思いました。
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祐(プロフ) - こずめさん» お返事遅くなりました！(名前変わっててすみません)もう文章からこの作品を好いてくれてるのが凄く伝わってきます私も貴方様が好きですありがとうございます。夏組編もよろしくお願いします！ (2018年7月21日 23時) (
レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - みかさん» お返事遅くなりました！本当ですか！？みかさんのA3!との出会いに関われたなんて嬉しいです！この作品書いてて良かったです・ﾟ・(つД｀)・ﾟ・ (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - イオリさん» お返事遅くなりました！そう言って貰えて凄く嬉しいですヽ( ´ ▽ ` )ノ私も夏組大好きです！ (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 翔香さん» コメントありがとうございます！大変お待たせ致しました！またこれからゆっくりではありますが続ける所存ですのでよろしくお願いしますヽ( ´ ▽ ` )ノ (2018年7月19日 16時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - Lilyさん» コメントありがとうございます！初期の頃からずっと支援してくださっていたなんて嬉しい限りですヽ( ´ ▽ ` )一応冬まで続ける所存ですので、これからも読んでやってくださいませ＼( 'ω')/ﾊﾞｯ (2018年7月19日 12時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐 | 作成日時：2018年3月13日 10時
