運営不適合者 ページ32
「いいか、劇場運営にはーーー」
「またか……」
長ったらしい説明をする左京さんに対し、呆れ顔の春組メンバー。
まるでなかなか終わらない校長の話をだるそうに聞いてる時の生徒達みたいだ。
まぁ当時の俺は話も聞かずにひたすら寝てたけどね。逆に聞いてて為になった事ある?俺はない。
でも今回ばかりは違う。
「なるほど……」
早く終われと祈ってるだろう皆とは裏腹に、すぐ様持ってきていたノートにペンを走らせる俺。
「え、Aさん!?」
「メモとってる……」
後ろで咲也と綴の声が聞こえるが、今はこの早口お兄さんについてくので精一杯すぎて返事が出来そうにない。
一成位早口すぎて息継ぎしてるのか不安になるレベルだ。
というか、まさかゲームしてた時のあの「うんたらかんたら」が実はこんなに身になる話だったなんて誰が思うよ。マジでノート持ってきといてよかった。
「ほう……?そこのお前、少しはまともらしいな」
ようやく口を止めてくれた左京さんに呼ばれ、俺はノートへと落としていた視線をあげる。
「為になる話だったんでつい」
「よく分かってんじゃねぇか」
さっきまで俺を睨んでたとは思えない程、満足そうな笑みを浮かべる左京さん。
やっぱり元劇団関係者なだけあって、本当にその辺詳しいんだな。
俺は裏方関係さっぱりだから、正直こういう話が聞けるのはめちゃくちゃ助かる。
「またお話伺ってもいいですか?」
興味津々な俺に対し更に気を良くしたのか、左京さんは快く了承してくれた。
……この人今は劇団潰す側って事忘れてないだろうか。
「難なく親密度アップとか流石A」
「まさに敵無しネ……」
「監督は渡さない……」
そしてうるさいぞ外野。
真澄に関しちゃ何の話だよ。
「俺だって本来なら皆同様、聞く側に回ってますよ」
「え?ならなんでノートを?」
首を傾げる監督さんに、俺はやっぱり分かってなかったかと目をそらす。
「……監督さん、いや、皆分かってます?今後この劇団の運営をしていく男が誰なのか」
少しの希望も見せないままに俺が尋ねると、すぐに全員同じ男にたどり着いたらしく、左京さん含め皆してため息を吐く。
そしてすぐ様俺に謝ってくれた。
皆分かってくれて嬉しいよ俺は。
「ったく、松川の野郎はいつもーーー」
支配人の愚痴をこぼし始める左京さんに構わず、俺はノートを鞄に戻す。
「A、ノート書かないの?」
「あれもう不必要情報なんで」
支配人攻略Wikiとか誰得だよ。
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祐(プロフ) - こずめさん» お返事遅くなりました!(名前変わっててすみません)もう文章からこの作品を好いてくれてるのが凄く伝わってきます私も貴方様が好きですありがとうございます。夏組編もよろしくお願いします! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - みかさん» お返事遅くなりました!本当ですか!?みかさんのA3!との出会いに関われたなんて嬉しいです!この作品書いてて良かったです・゚・(つД`)・゚・ (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - イオリさん» お返事遅くなりました!そう言って貰えて凄く嬉しいですヽ( ´ ▽ ` )ノ私も夏組大好きです! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 翔香さん» コメントありがとうございます!大変お待たせ致しました!またこれからゆっくりではありますが続ける所存ですのでよろしくお願いしますヽ( ´ ▽ ` )ノ (2018年7月19日 16時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - Lilyさん» コメントありがとうございます!初期の頃からずっと支援してくださっていたなんて嬉しい限りですヽ( ´ ▽ ` )一応冬まで続ける所存ですので、これからも読んでやってくださいませ\( 'ω')/バッ (2018年7月19日 12時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐 | 作成日時:2018年3月13日 10時