春組恋愛事情 ページ16
うわぁ。
間違いなく、今の俺達はこの言葉がシンクロしていたと思う。
監督さん、遠目から見ても微妙にまだ頬が赤いし。実際かなり痛いんじゃないか?
「……」
「いい加減何があったのか話せ」
綴が言うと同時に、気を使った監督さんが談話室を後にする。
俺は真澄が咲也の隣になるよう端にずれ、真ん中に真澄を座らせた。
「マスミ、電気出すね」
「出すのは元気な」
……笑っちゃいけないんだ笑うな俺。
綴のツッコミが的確すぎてこういう時にやられるとつい笑いそうになるんだって。
にしても真澄としてはかなりの事件だっただろうし、落ち込むのもまぁ分かる。
結果的に女に手上げて、しかもそれが好きな相手でしたとかもう……もう、ね。
「……死にたい」
そうなるわな。俺も間違いなく自爆コマンド一直線。
「失恋した」
「失恋!?誰に!?」
いや待て咲也。この状況で誰にってなんだ。
逆にここで真澄からリカちゃんだのエリカちゃんだの出てくる方がよっぽどサイコパスだろ。
そして皆が懸命に真澄を宥める事数分。
「一つ目は昨日……」
やっと原因を話してはくれたものの、その内容は明らかに思い込みが激しいだけで、決して失恋だの何だのではなかった。
シトロンさんの言葉を借りるなら、それこそはやちどりである。
「監督さん別に怒ってる感じじゃなかったし、ちゃんと謝れば大丈夫だろ」
「ですね!」
そもそも真澄の思考がやばいだけというか。
「片思いしてると、色々悪い方に考えちゃうんだよな」
「綴は一日中それで悩んでそうだな」
「う、図星っす……」
やっぱり。
告白とかした事ないんだろうなぁこいつ。
監督さんにアタックする際は言ってくれ、全力で手伝ってやるぞ。
「そういうものなんですね」
咲也に関しては片思いというか、好きな奴すら今までいなかったんだろうな。まぁ咲也の家が家なだけに仕方ない……のか?
彼にはぜひとも、純粋なままでいて欲しいね。
「いつも向こうから寄ってくるネ」
はいダウト。
いや事実なんだろうけど言いたくなる。絶対今は全員近所のおば様達だろ。
むしろその日本語力でデートなんてしたらとんでもない。彼女が雰囲気よりも翻訳スキルにポイント極振りして一日が終わる。
「付き合うとゲームしづらくなるし」
「オタクの発言っすね……」
マジでそういう所が好きです至さん。男の中の男。一生ついて行きます。
(っと、そろそろか)
俺は立ち上がり、話す皆から離れ一人台所へと向かった。
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祐(プロフ) - こずめさん» お返事遅くなりました!(名前変わっててすみません)もう文章からこの作品を好いてくれてるのが凄く伝わってきます私も貴方様が好きですありがとうございます。夏組編もよろしくお願いします! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - みかさん» お返事遅くなりました!本当ですか!?みかさんのA3!との出会いに関われたなんて嬉しいです!この作品書いてて良かったです・゚・(つД`)・゚・ (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - イオリさん» お返事遅くなりました!そう言って貰えて凄く嬉しいですヽ( ´ ▽ ` )ノ私も夏組大好きです! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 翔香さん» コメントありがとうございます!大変お待たせ致しました!またこれからゆっくりではありますが続ける所存ですのでよろしくお願いしますヽ( ´ ▽ ` )ノ (2018年7月19日 16時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - Lilyさん» コメントありがとうございます!初期の頃からずっと支援してくださっていたなんて嬉しい限りですヽ( ´ ▽ ` )一応冬まで続ける所存ですので、これからも読んでやってくださいませ\( 'ω')/バッ (2018年7月19日 12時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐 | 作成日時:2018年3月13日 10時