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偶然見た涙 ページ8

咲也side

いつもなら楽しい夕食の時間。

皆でAさんの作るご飯を食べて、一日の事を話し合う、俺にとって唯一「家族」を感じられる大切な時間。

けど、今日は違った。

「ご馳走様でした」

俺を含めた皆が、落ち込んだ様子で監督のカレーを残していく。Aさんもどこかに出かけているみたいで、今までで一番談話室が暗かった。

幼い頃から両親のいない俺は、この暗い感じをよく知っている。

「監督さん。Aさんは……」

ずっと気にしていた事を聞いてみると、さっきまで部屋に戻ろうとしていた皆が立ち止まっていた。

やっぱり皆も気になってたよね。
だって皆、Aさんとは凄く仲がいいから。

「だ、大丈夫だよ!皆が心配してるような事にはなってないから!」

監督の言葉を聞いて、ここにいる全員がほっとした顔になる。

「いきなり胸ぐら掴まれ出した時はどうなる事かと……」

「驚いたネー」

「むしろ何したらあんな展開になるのか謎」

皆の言う通り、俺もあの時は凄く驚いた。
一体Aさんと雄三さんの間には何があったんだろう。

あんなに優しい人が、誰かを怒らせるなんて俺には想像もつかないな。

それから一度解散した後、俺は雄三さんの言葉を考えた結果、舞台の上で寝る事にした。

向かう途中、綴くんやシトロンさんが俺に付き合ってくれて。

結局は皆で舞台の上で寝る事になったけど、Aさんだけがここにいないのが、俺には凄く寂しかった。

「Aさんも誘おうと思ったのにな」

「Aだけ回避とか許さない」

「アイツ、まさか監督と……!」

すぐに俺だけじゃないって分かって嬉しくなったけど。

「舞台で寝るなんて、なんかワクワクしますね!」

いざ劇場に着いてすぐ。
こういう皆で寝るとかをあんまりした事のなかった俺は、興奮のあまり布団を持って舞台に向かって走り出した。

転ぶなよ、って声をかけてくれる綴くんに返事をしながらもその中心まで行くと、誰かが壁よりの場所で倒れているのが見える。

(誰だろう)

幽霊かと思いながらも、暗い中恐る恐る近づいて行く。手前まで来た所で、すぐにその正体が分かった。

「……Aさん?」

小さく呼びかけたけど反応はない。寝てるみたいだ。

(なんでこんな所で……それも一人で)

とにかく風邪を引くのはまずいと思って、俺はAさんに声をかける。

「Aさん、起きて下さ……っ」

寝ているAさんの前に膝をついた時、初めて頬を伝う涙の跡に気が付いた。

明日になったら→←自身の弱さ



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作品ジャンル:アニメ
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夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花(プロフ) - Syuさん» いえいえ! なるほど……あの二人の会話がすごく可愛くて癒されましたwはい!応援させてもらいます! (2018年3月21日 0時) (レス) id: f2643ccfd4 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - rin_arsmateさん» 申し訳ございません。早急に編集致しました。ご指摘ありがとうございます (2018年3月12日 22時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
rin_arsmate(プロフ) - 偽善者が犠牲者になっています。 (2018年3月12日 22時) (レス) id: 4f08260cf0 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花さん» ご指摘して頂いた上に感想まで……!ありがとうございます!三角は凄く作りやすくて楽しいです。これからも頑張らせていただきますね (2018年3月12日 17時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花(プロフ) - Syuさん» いえいえ!あ、それと、凄く面白い作品ですね!!!本編を知っているからこそ不安にもなるし、支えていきたいのも舞台に立つのが怖くとも演技をやりたいって気持ちも凄く伝わってきて…めちゃめちゃ感動しました!個人的に綴と三角とのシーンがお気に入りですw (2018年3月12日 3時) (レス) id: f2643ccfd4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年3月4日 17時

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