【A3!】舞台から落ちたら演劇の世界にいました２【男主】

追求 ページ5

監督さんに半ば強引に連れ出され、俺たちは寮の裏口へと来ていた。

ちなみに俺は状況が分からないのと雄三さんを(何故か)敵に回したことが色んな意味で怖すぎて震えています誰か助けて下さい(マジで)

胸ぐら掴まれた意味がわかんねぇわ。俺の隣の部屋の奴ぐらい意味わかんない。何、雄三さんて三角と同じ星から来たの？不思議の国の雄三ちゃんなの？

全力で違う事を考え気を紛らわせようとするも、雄三さんの目が怖すぎてそれどころじゃない。

｢おい。てめぇ何考えてやがる｣

｢え、｣

いやそれ俺のセリフなんですけど！？アンタだよ何考えてんのか分かんないのは！

｢な、なんの事か｣

｢あ？ふざけてんのか｣

｢滅相もございません！……て、それ｣

キレながら雄三さんが取り出したのは、どこか見覚えのあるノート。って、それ俺のノートじゃないですか。

｢何故それを……｣

ノートを指差し尋ねようとした所で、雄三さんの隣に立つ監督さんの表情が沈んでいくのが見える。おいまさか。

｢ごめんね。私が支配人に頼んで予め読んで貰ってたの｣

だと思ったわちくしょう！女って本当恐ろしいな！監督さんなんて嫌い……にはなれそうにないダメだ！

というか通りでノート貸したまま返ってこないと思ったら！

(いや待て。読んで貰ったって事は……)

ここに来てようやく監督さんの思惑を察する。元舞台俳優から見た咲也達、技術面や精神面でのレポート。

そして、しっかり纏めるよう言われて書いたこの一週間。

脳内にある全てのピースがはまり、カチリと繋がる音がする。どうやら、一杯食わされていたのは俺の方だったらしい。

(くそ、完全にミスった……！)

ノートに向かっていた当時の俺を全力で殴りたい。

そんな自分の甘さに表情を険しくさせる俺の先では、変わらず鋭い眼光を突きつけてくる雄三さんと、真っ直ぐに俺を見てくる監督さん。

｢どうやら聞きたい事が分かったらしいな｣

｢……はい｣

ここで否定しても仕方ない。
いや正直胸ぐら掴んできたことについては謝って欲しいけどね！？

｢俺ははっきり言って回りくどい事は好きじゃねぇ。さっきあいつらのお遊戯会見させられたのもあってイライラしてんだ｣

すいません後半は全く俺関係ないのですが。

なんにせよ、切り抜けるしかない。

｢単刀直入に聞くぞ｣

……あぁ、またこうやって俺は秘密が増えていくのか。
こんな状況とは反対に、異常に冷めている自分がいた。

｢ーーーてめぇは何故舞台に立たない？｣

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