意思表示 ページ23
至さんに俺が遅くなる事を伝え、夕方まで待つこと数時間。
レッスン室だろう場所に呼び出された俺は、そこでようやくクソオヤジとの対面を果たした。
｢よお。待たせたな｣
｢いえ、俺こそ連絡もなしにすみません｣
俺は、というか殆どの人間そうだと思うが、一度苦手だと判断したらもうその人の事はどう頑張っても苦手だ。中にはそれを克服する人もいるかもしれないけど、少なくとも俺には出来ない。
こういうオラオラ系の、明らかにジェネレーションギャップ感じるようなおっさんタイプは特に。
そんな俺の雰囲気を感じ取ったのか、まるでこれから喧嘩でもするんじゃないかと思えるほどの恐ろしい笑顔を見せるおっさん。
まさか生徒にもそんな顔して詰め寄ってんじゃないだろうな。
｢ほぉ。随分となめた態度とるようになったじゃねぇかクソガキが｣
｢いやいや、俺はいつもこんな感じですから｣
対する俺は、特に怖気付いたりもせず普通に返す。
別に馬鹿にしてる訳でもなめてる訳でもない。ただ普段よりかしこまってないだけ。
至さんと話す時なんか割とこんなだし。
｢今日は以前の返事をしようと思って｣
｢……あの時のか｣
｢はい。あの後考えましたが、やっぱり俺はMANKAI劇場の舞台には立ちません。支援に徹します｣
あの日言われてからここに来るまで何度も考えたけど、やっぱり答えは変わらない。
｢見届けなきゃならない訳があるんです。それが例え、俺の芝居人生と引き換えになったとしても｣
MANKAIカンパニーは、あの二十人の劇団員で初めて造り上げられるものだから。俺が入る道理はない。
そうはっきりと言い切った俺を見て、途端に口角を上げたおっさん。
否定するならしろ、怒りたきゃ怒れ。誰になんて言われようと引き下がるか。
｢……言うようになったな｣
｢え？｣
あんまり想像と違う事を言ってくるもんだから、思わず素の声が出てしまった。
おのれ、そういう手口か……！？
とも思ったが、そういう訳でもないらしい。
｢この間に比べて、お前の言葉の重みが全く違ぇ。覚悟を決めた奴の言葉だ｣
｢……｣
満足気に笑うおっさんが気味悪くて、全身に鳥肌が立つのを感じる。言葉の重みとか覚悟とか、まるであの日俺が舞台の上で足掻いてた事を知ってるような感じ。
さては、あの黒歴史の場に立ち寄ってたんじゃないだろうな？
疑いの目を向ける俺におっさんが差し出したのは、一冊の脚本。
｢ちょっとやってみろ｣
何か、試されている気がした。
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夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花(プロフ) - Syuさん» いえいえ！ なるほど……あの二人の会話がすごく可愛くて癒されましたwはい！応援させてもらいます！ (2018年3月21日 0時) (
レス) id: f2643ccfd4 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - rin_arsmateさん» 申し訳ございません。早急に編集致しました。ご指摘ありがとうございます (2018年3月12日 22時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
rin_arsmate(プロフ) - 偽善者が犠牲者になっています。 (2018年3月12日 22時) (レス) id: 4f08260cf0 (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花さん» ご指摘して頂いた上に感想まで……！ありがとうございます！三角は凄く作りやすくて楽しいです。これからも頑張らせていただきますね (2018年3月12日 17時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花(プロフ) - Syuさん» いえいえ！あ、それと、凄く面白い作品ですね！！！本編を知っているからこそ不安にもなるし、支えていきたいのも舞台に立つのが怖くとも演技をやりたいって気持ちも凄く伝わってきて…めちゃめちゃ感動しました！個人的に綴と三角とのシーンがお気に入りですw (2018年3月12日 3時) (レス) id: f2643ccfd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐 | 作成日時：2018年3月4日 17時
