【A3!】舞台から落ちたら演劇の世界にいました２【男主】

単騎突入 ページ22

朝から始まったお遊戯会を終え、皆を送り出した後。

俺は支配人から教えて貰った地図を頼りに、ある場所へと向かっていた。

｢……ここか｣

俺が来たのはとある演劇学校。
……そう、あのクソオヤジが教師を務めている学校である。

とりあえず、こんな手書きで分かりにくい地図を作った支配人は後で葬ろう。
おかげで目の前に学校あったのにその周り三週もしちゃったじゃねぇか。

当然アポなんて取っちゃいないし、なんならここに来る事は監督さんや寮の皆にも話していない。支配人？あぁ、あれはノーカン。

｢すみません。会いたい方がいるのですが……｣

学校に入り、受付の人に頼んで雄三さんへ話を通してもらう。今日は前にボロクソに言われた事の答えを言いに来た。決意表明的な。

突然来た俺に非があるけど、連絡先なんて知らないし。何より先日携帯を新調したばかりだから知れる筈もない。

今入ってるアドレスなんて、せいぜい春組プラスアルファで計七人程だし。

(知ったとしても絶対入れないしな)

通知とかなんか凄い暑苦しそうだもの。

暇つぶしに今日配信のゲーム情報でも漁りながら待っていると、受付の人に声をかけられる。

雄三さんに俺が来たことを説明した所、なんでも夕方までは授業がある為、終わるまで待たせておくようにと言われたらしい。

｢申し訳ございません。鹿島先生、一度怒鳴り始めると止まらないので……｣

｢……心中お察し致します｣

受付の先生ですら震えてんじゃねぇか。
一体どんな暴力授業してんだよあのクソオヤジ。

まぁ俺の場合、怒鳴られる事に関してはもう舞台の世界入ってから慣れっ子だし平気だけども。

流石におっさんからの愛のムチ(物理)ほど嬉しくないものはないと思うぞ俺。

｢じゃあ夕方になったらまた来ます｣

受付さんに頭を下げ、一度学校を出る。

至さんが帰ってくるまで待とうと思ってたけど、待ちきれないから先に例のゲーム始めちゃおっと。全てはあのクソオヤジのせいだから。うんきっとそう。

この世に起こるよくない事は皆鹿島雄三のせい。たまに妖怪とかいう人いるけど違う。全部雄三のしわざ。

……どこからか殺気を感じたので、そろそろディスるのはやめておこうと思います。

まぁ前の劇団にいたっていう第二の雄三さんも全く同じような性格してたけどね。
毎日毎日口喧嘩したものだよ。それこそ毒舌くんとヤクザさんみたいに。

あのクソ……雄三さんとも、なんだか長い付き合いになりそうな気がするんだよな。

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