脅し要員 ページ38
「Aさん!Aさんっ!!」
「ゔぅ……何誰……」
次の日の朝。
俺の素敵で最高な安眠は何者かによって妨げられた。何もう起きる時間?当分ご飯は監督さんのカレーだって俺言わなかったっけ?
「俺です!綴!起きてください!」
「なんだ綴か……おいで、一緒に寝よ……」
「俺の話聞いてました!?」
俺と綴のやり取り通り、俺は寝起きがかなり悪い。
至さんは朝めちゃくちゃ不機嫌なのに対し、俺は単になかなか布団から出られないタイプだ。
劇団に入ってからは同じ部屋の人に叩き起されてたからかなり修正された方だけど、高校に入る前はかなり酷くて。
分かりやすく言うとアラーム五分ごとに一時間分設定して、そして見事に全部止めてなお寝るレベル。
二度寝って最高なんだわ。というかあれって絶対余裕もってセットした最初の方のやつ意味無いよね。俺からしたらむしろ二度寝する為にあるようなもん。
「起きないと至さんから借りてるスマホ叩き割りますよ!」
「いや待ってごめんなさい即起きます」
おい誰だ綴に「脅す」を覚えさせたの!!至さんか!?絶対至さんだろ!
慌てて飛び起き、すぐさま布団から出て綴の前に正座する。
えぇ?俺なんかした?例えあったとしても監督さんにカレー大量に作らせちゃった位……あぁもうそれだわ完全にそれ。
「俺が止められなかったばかりに……っ!」
「なんの話っすか?」
「?なんか俺がやらかしたんじゃないの?そんで綴が説教しに……」
控えめに申し出ると、綴は違うと言わんばかりに首を横に振る。
「いや用件はそれなりにあるんすけど……ってそうですこれ!!」
「あ、それ昨日のバイト代。綴の分」
俺の言葉に目を見開く綴。
まぁ俺もちょっと楽しかったからお礼的な。脚本も本来より二日も早く終わらせたみたいだし。
「俺の分って……働いたのはAさんじゃないっすか!しかも俺の代役で!」
「あー、まぁ気にすんな」
「俺が気にするんですけど!」
えぇ……もう受け取れよそこは。
「これは俺が貰った金。つまり綴に渡そうが使おうが俺の自由、ってことで」
我ながら適当極まりない理由ではあるが、綴は納得したらしい。
「Aさんお人好し過ぎてマジで心配だわ……」
なんて呟かれたけど。
「あと、もう一個の用件はこれです。Aさんに一番に見て貰いたかったんで」
そう言って綴が差し出したのは紙の束。表紙には「ロミオとジュリアス」の文字。
いや……というかこれって……
脚本!?
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祐(プロフ) - 時雨さん» お返事が大変遅くなり申し訳ございません。もしよろしければどの話か教えて頂いてもよろしいでしょうか?分かり次第すぐに編集しようと思います┏○ペコ (2018年10月3日 14時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 役不足っていうのは自分には役目が軽過ぎで満足できないなんて言うときに使う言葉ですよ (2018年9月10日 14時) (レス) id: cf954cb7db (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 漣凪さん» ありがとうございます!今は面白いの一言が続ける気力になっております。むしろ妄想して貰えるなんて嬉しさで爆ぜそうです。頑張ります! (2018年3月3日 12時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
漣凪(プロフ) - とても面白かったです!ついつい自身でこの先の展開を妄想してしまいます(←変人)。更新頑張ってください (2018年3月3日 1時) (レス) id: 87e449a00b (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます!文字数制限に毎度ひいひい言っておりますが頑張ります (2018年2月25日 21時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐 | 作成日時:2018年2月23日 1時