お隣さん ページ33
｢それじゃまた明日。おやすみなさい｣
至さんと綴、それから稽古が終わったばかりだろうメンバーにおにぎりを差し入れし、加えて監督さんにノートは明日渡すと一言伝えてから部屋を出る。
明日も日雇いバイトがある為、今日は早いとこノートをまとめて寝なくちゃならない。
｢明日は何作るか……｣
まだ残っているカレーの処理方法を考えながら、俺は密かに作っておいたもう一人分のおにぎりを持って二階へと上がる。
これはまだ誰にも言ってないけど、どうやら奴は既にあの部屋に住み着いているらしい。
それを知ったのは昨日の夜、劇場から自分の部屋(今は202号室)に逃げてきた時の事だ。
『くそっ！』
舞台を怖いと思った悔しさから、怒りに任せてドンと壁を叩いた時。
『このままじゃ……ん？』
誰も居ないはずの隣の部屋から、トントンという音が返ってきて。
ドン！
試しにもう一度叩くと、
トントントン！
と返ってくる。
その音の正体は分かっていたけど、その時の俺には構ってる余裕なんてなくて。
悪いと思いながらも布団を被った。
それでも聞こえてくるトントンという音。
トントン。
ーーーごめんな。今は返す気になれないんだ。
トントン、トントン。
ーーー明日になったら構ってやるから。
トントントン、トントン。
ーーーちょ、だから、あの、
トントトトトンットントントントトトトト
ーーーうるせぇぇぇぇぇえっ！！！！
後半に連れ、まるである太鼓ゲームの鬼モードのような素早さで流れてくる壁の音に俺は確信した。
後に夏組となるあの男。
斑鳩三角は既に俺の隣の部屋にいると。
これが昨日の夜の真実(俺はトライアングルストーリーと名付けた)、そして斑鳩三角との出会いである。
まぁトライアングルストーリーとか言って、普通に訳したら｢三角の話｣だけどね。ダサい。
舞台への恐怖に加えて鳴り止まない壁連打。そりゃあ布団握りしめて震えもしますよ。
おかげで昨日は太鼓叩く夢見ちゃったし。
まぁ隣の部屋との壁薄すぎだろとか住み着くの早すぎだろとか。思う事は色々あるけど、とりあえずお近付きの印におにぎりでも、という訳だ。
流石に三角のいる扉の前に置いておくのは危険なため、俺は静かに扉を開ける。どこかに出かけてるらしい。こんな時間にとも思うけど、居ないなら安心だ。
【よかったらこれどうぞ。お隣より】
書き置きと至さんに取ってもらった例の三角キーホルダーをおにぎりの皿の隣に添えて、俺はその場を後にした。
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祐(プロフ) - 時雨さん» お返事が大変遅くなり申し訳ございません。もしよろしければどの話か教えて頂いてもよろしいでしょうか？分かり次第すぐに編集しようと思います┏○ﾍﾟｺ (2018年10月3日 14時) (
レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 役不足っていうのは自分には役目が軽過ぎで満足できないなんて言うときに使う言葉ですよ (2018年9月10日 14時) (レス) id: cf954cb7db (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 漣凪さん» ありがとうございます！今は面白いの一言が続ける気力になっております。むしろ妄想して貰えるなんて嬉しさで爆ぜそうです。頑張ります！ (2018年3月3日 12時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
漣凪(プロフ) - とても面白かったです！ついつい自身でこの先の展開を妄想してしまいます(←変人)。更新頑張ってください (2018年3月3日 1時) (レス) id: 87e449a00b (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます！文字数制限に毎度ひいひい言っておりますが頑張ります (2018年2月25日 21時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐 | 作成日時：2018年2月23日 1時
