春組始動 ページ30
夕飯を終え、俺達(綴は脚本作成のため不在)はようやく春組として本日からしっかり稽古を始める事に。
「迷惑をかける事になるかもしれないけど、よろしくね」
優しく微笑む至さんに俺は鳥肌が止まりません。別に本性バラそうとか思ってないんで俺に圧をかけるのはおやめ下さい。
にしても車持ってるのはいいよなぁ……俺は免許こそ持ってるけど車自体は持ってなかったし。というかこの寮ってどこに駐車場あるんだろ。
「車持ってるんですね!」
案の定車所持者の至さんをかっこいいとはしゃぐ咲也。
おお俺だって車運転出来るもん!いやこの世界じゃ俺無免許扱いだけどねちくしょう!
悔しさに拳を握りしめていると、監督さんからお声がかかる。
「それじゃあまずは準備運動と発声練習なんだけど……Aくんはどうする?やれそう?」
控えめに尋ねてくれる監督さん。わざわざ選択させてくれるなんてやっぱりあなたは俺の女神だ……!
「それなんですけど、俺も何か手伝おうと思って……これ、」
そう言って俺が出したのはペンとノート。表紙には悩んだ末「春組ノート」の文字とメンバーの名前を書いておいた。
「監督さんとは別に、俺みたいな団員側の視点から見て思った事とかを書いていこうと思うんです。何か監督さんのヒントになればいいなって」
前の劇団でもお互いに芝居をし合い、メモを書いてそれぞれ見せ合うとかしてたし、自分で言うのもなんだが結構役に立つと思う。
なんと言っても芝居の経験者が書くんだ。間違いはない。……筈。てかそうであってくれ。
「ぜひお願いしたい!すごく助かるよ!」
「A、だんまりヨ!」
「だ、だんまり?」
「頑張ると見た」
「それダヨ!」
いやなんで分かるんだよ。てかシトロンさん頑張るのはそっちだから。
監督さんの指示に従い、パントマイムの練習に移る。
(咲也は全体的に固いな。でも懸命さはピカイチだから舞台じゃ映えるはず。真澄はともかく、シトロンさんと至さんも柔軟性がある)
ゲーム展開だからって言ったらあれだけど、監督さんもよくこんなにいい人材を集めたよな。
それぞれ初心者だけあってぎくしゃくはしているけど、演劇始めた当初の俺に比べれば全然いい方だ。
それから夜九時。至さんが声をかけたことにより稽古が終わった。
「じゃあ監督。後でノート渡しますね」
そう言って俺も部屋を出ると、至さんからのメッセに気付く。
至【A、ちょっと付き合え】
さっそく呼び出しくらいました。
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祐(プロフ) - 時雨さん» お返事が大変遅くなり申し訳ございません。もしよろしければどの話か教えて頂いてもよろしいでしょうか?分かり次第すぐに編集しようと思います┏○ペコ (2018年10月3日 14時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 役不足っていうのは自分には役目が軽過ぎで満足できないなんて言うときに使う言葉ですよ (2018年9月10日 14時) (レス) id: cf954cb7db (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 漣凪さん» ありがとうございます!今は面白いの一言が続ける気力になっております。むしろ妄想して貰えるなんて嬉しさで爆ぜそうです。頑張ります! (2018年3月3日 12時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
漣凪(プロフ) - とても面白かったです!ついつい自身でこの先の展開を妄想してしまいます(←変人)。更新頑張ってください (2018年3月3日 1時) (レス) id: 87e449a00b (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます!文字数制限に毎度ひいひい言っておりますが頑張ります (2018年2月25日 21時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐 | 作成日時:2018年2月23日 1時