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「あ、の!…ありがとう、ございました」
謙信「礼には及ばん。二度 転ばぬようにな。存分に楽しんでいってくれ」
「はい..._って、あれ!」
足元には、手ぬぐいで完璧な処置が行われた下駄がきっちり揃えて置かれていた。手際が良い。良すぎる。
薬師「ほら、手当出来たよ嬢ちゃん。転ぶたァ災難だったな。
...おや、その下駄の鼻緒切れて転けたのか?謙信様には適わねぇや!ちゃんと直してある!!」
ケラケラと笑いっぱなしの薬師に頭を下げ、もう一度謙信に礼をと駆け出した。
人混みを掻き分け、人狼を探す。
先程の背広姿をみつけ、声を掛け_
「けんしんさ_っうああ!」
謙信「っ?!」
足元の段差に気づかず、また足をとられてしまった。倒れる!_かと思いきや、
謙信「まったく、先程気をつけろと言ったそばから走って追ってくるとは。」
また声が上から降ってきた。それに今度は、あたたかい…?
顔を上げてみると、謙信の大きな体の中にすっぽり収まっていた。転ぶ直前に抱きとめてくれたようだ。
しかしながら、近い。顔を上げたはいいものの、こちらをのぞき込む謙信の息が耳にかかってくすぐったい。あと近い!!
「っわわわ!!すみませんすみません!二度も助けていただくなんてっ!」
謙信「別に構わん。誰だろうとこの領地内で困っている者には手を貸す。それに、お前はとてもおもしろい。」
ふっ、と小さく笑いかける謙信に長い間見とれていた。
いや、もしかしたらそんなに経っていないかもしれない。とくん、とくんと、心音が高鳴っていく。
兄のことなど忘れて、ずっとこうしていたいと思えた。
あ、
「あ、兄さんのことすっかり忘れてた!謙信様、この度は本当にありがとうございました!」
謙信「...ああ、気をつけてな。いつでも遊びに来い」
走っていく彼女の背中にそう呼びかけた。振り返り、大きく手を振って、また走り出す。
また転ぶのではないか、いや、さすがにそれはないだろう。
景持「謙信様、こんなところで立ち止まられてどうしたんです?」
謙信「いや、何でもない。城へ戻るぞ」
次にあった時には、名を聞いてみてもいいだろうか。
【毛利元就】君との間に、障害なんてつくらせない。→←【上杉謙信】目を離せない、手も焼くが。
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ねむいたぴおかは僕“ねむたぴ“(プロフ) - わ、私がまだ小説を書いてない時に見た憧れの小説だ…!めっちゃ面白いです!是非是非続編でも頑張ってください!! (2018年7月27日 7時) (レス) id: 9d49224d89 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - 夜月ライ→みなみさん» 夜月さん!今続編の方で【オリジナルフラグをはずしてください】というのありましたよ!早くはずさないと違法報告(?)されてしまいますよ!? (2018年7月25日 12時) (レス) id: caab18a589 (このIDを非表示/違反報告)
夜月ライ→みなみ(プロフ) - 総合時間事業会社代表取締役社長専属秘書さん» 返信遅くなりました、すみません。コメントありがとうございます!!応援ありがとうございます!この作品や、ゲームを通じてもっと作品が増えることを私も期待してます!続編行きましたので、そちらにもお付き合い頂きたいです! (2018年7月25日 10時) (レス) id: 7df48d7d67 (このIDを非表示/違反報告)
夜月ライ→みなみ(プロフ) - 名無しさんさん» 返信遅くなりました、すみません。コメントありがとうございます!!続編行きましたので、そちらの方もお願いします!! (2018年7月25日 10時) (レス) id: 7df48d7d67 (このIDを非表示/違反報告)
夜月ライ→みなみ(プロフ) - 。さん» コメント返信遅くなりました、すみません。リクエストありがとうございます!!続編の方で優先して書かせていただきます。更新をお待ちください (2018年7月25日 10時) (レス) id: 7df48d7d67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜月 来-ヤヅキ ライ- | 作成日時:2018年1月1日 20時