私の年上王子様 (ページ8)

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みんながゲームをしているのを見ていると、マサイさんが私の近くにやってきた。

そしてマサイさんは「よかったら話さない？」と丁寧な字で書いてくれた。

私はもちろんと言わんばかりに大きく首を縦に振った。

そこからは色々なことを話した。
マサイさんのことを沢山教えてもらった。

マサイさんはモトキくんと同い年で24歳。
弟さんと妹さんがいて、実家では犬を飼っているらしい。
インターネット関係の専門学校を卒業して、今は動画の編集や自作BGMを作っているそうだ。

他にも好きなこと、好きな食べ物、中学校時代のモトキくんや他のメンバーさんの話など沢山教えてもらった。

1時間以上話して、最後には連絡先を交換した。

私はこの時間がとても幸せだった。
マサイさんと話しているとなんだか緊張はするけど落ち着く。
優しい笑顔で守ってくれる感じがする。

心の奥がなんだかムズムズする。

私は恋愛をしたことがない。
というかしないようにしていた。
きっと普通の人と同じような恋愛は出来ないから。
相手にも迷惑をかけるし、きっと苦しくなる。
だからよく分からない。

この心のムズムズは恋なのだろうか。

でも、私なんかに好意を寄せられてもきっとマサイさんに迷惑かけるだけだ。

マサイさんは素敵な人だ。たぶんモテる。

有名な方だし、私なんか近くにいていい存在じゃない。

このムズムズは見ないフリをしようと心に決めた。

いつからだろう。何においても「私なんか」と感じるようになったは…。