ダチュラの花 (ページ9)

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理「ていうかさっきの人って彼氏⁇」

『違う。どちらかというと苦手。』

理「‥‥即答じゃん。そんなに苦手なの?」

『‥私の事気づいてるから。』

理「え、ガチ⁇‥‥でも姉ちゃんがヘマするわけないじゃん。なんで‥‥」

『‥そんなの私が知りたいわ。』

理「ふぅん‥‥面白い人だねー。」
　
『そんな面白いわ、け、、』

理「⁇‥‥!!おばさん、帰ってきてるんだ‥」

家に電気が付いている。

‥‥なんで今日はこんな早いの‥‥いつも遅いはずなのに‥‥

理「‥‥姉ちゃん大丈夫⁇」

『‥‥大丈夫。理人、おやすみ。』

理「‥うん。おやすみ。」

『‥‥‥ただいま。』

母「おかえりなさい。‥‥遅かったじゃない。どこにいたの。」

‥‥お母さんのこの圧が嫌い。息ができなくなって窒息しそうになる。

『‥先生から頼まれごとがあって遅くなったの。ごめんなさい。』

母「‥‥そう。A、早く手を洗って着替えてらっしゃい。夜ご飯できてるからね。」

『はぁいお母さん。』

‥‥良かった。なんとか誤魔化せた。

嘘はついていない。元々は先生からの頼まれごとだったんだから。

『お母さん。今日の夕飯は?』

母「ふふっ今日はあなたの好きなロールキャベツよ。」

私の前に出されるできたてなのか湯気をたててるロールキャベツ。

‥‥やっぱり匂いがしない。

母「どう?おいしい⁇」

『‥うん!とってもおいしい‼』

分からない。味覚も嗅覚も正常に作動してくれていないのだから。

母「そう。良かったわ。」

嬉しそうに微笑む母。‥良かった。喜んでくれている。

『ごちそうさま。勉強してくるね。」

母「無理はしないようにほどほどにね。」

‥‥‥私に無理をさせるのは誰なの。

そんな考えが浮かんでくる。‥‥そんな考えはタメ。

私はお母さんのために生きているの。

お母さんは私を唯一愛してくれているんだから。

私はお母さんのために優等生を演じるの。

‥‥‥そうじゃないと仮面を被った意味がないから。

だからお願い。田島くん。

私の心を掻き乱さないで‥‥私の本性を見て見ぬふりをして。

‥‥‥お願いだから‥‥‥