続き ページ8
帰り道、いつもは××と歩いていたけど、隣には誰も居ない。
｢A。｣
ふと、後ろから声をかけられる。誰でも、良いから今は縋りたかった。
『ぴくと.......』
｢最近部活とか忙しくて喋れてなかったけど、久しぶり。.......元気ないね。どうしたの？｣
ぴくとなら、私の今の居場所になれるかな。
『あのね.......』
学校であったこの数日間の話をぴくとに話した。
｢そうだったんだ......辛かったね。でも、もう大丈夫。俺が居るから。全部俺に頼って。｣
『本当に.....ぴくとは最高の友達だよ....！』
｢....友達。そう。Aは友達だよ。いつまでも。｣
ニコッと笑う、ぴくと。
少し、背筋が凍ったのはきっと勘違いだ。
次の日
廊下を一人で歩き、一人で教室へと向かう。
私はなかなかに××に依存してたみたいだ。
ドンッと肩と肩がぶつかる。
｢痛っ.......ちゃんと前見て歩けよ。｣
『ご、ごめん。』
ぶつかった反動で落とした教科書を拾う。
肩がジンジンと痛み出す。
｢明らかに、君らの方が悪く見えたけど？その子に謝って。｣
｢ぴ、ぴくと、君？どうして、コイツに関わるの？ぴくと君だって....！！ッ.......！｣
口角を上げて笑ったぴくとを見て、三人人組の女子は逃げて行った。
教科書を拾おうとしゃがんでいた私にぴくとは手を貸してくれた。
｢大丈夫？ああいう感じで毎日されてるの？｣
『ありがと.....まぁ。』
｢これからも俺を頼って。｣
昨日みたいにまた笑う。
｢俺の手を掴んで。俺だけを、見て。｣
｢休み時間、空き教室来て？｣
『.....え、なんで。』
｢何でもいいから！話したいことがあるんだよ。｣
来てね。とその場を去っていく女子たち。
拒否権など無いのか。....どうしよう。
そうだ。ぴくとに....！でも....ぴくとにも嫌われたら、私は........！！
やめておこう。迷惑はかけられない。
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作者名：さとう | 作成日時：2021年10月9日 9時
