拳が10つ ページ10
さっきまでの否定の仕様が嘘のように素直にお粥を口に含むと、エースは真剣に咀嚼し始めた
『どう?節足動物の歯ごたえが堪んないでしょ』
味を探るように咀嚼していたエースに、次の分を用意しながら聞くとエースは尻を引っぱたかれたような勢いでいきなり飛び上がった
「ｯ〜〜!!まｯ…!!なんだよこれ!!」
「苦ｯ!!てか不味!!」これから死ぬ人間の顔にしか見えない表情で叫び続ける
『失礼な。苦ければ苦いほど身体に良いに決まってんでしょ、不味いわけじゃない』
「良いわけあるか!!お前どうにかして俺を殺したいのか!?」
『一理あるかもね。さぁ殺されないくらい強くなりたきゃ食べな』
エースの表情が再び死にそうになる。
しかし、それからしばらく考えるように上に視線をやるとすぐに意を決したように潔く大口を開けた
若干涙目で「お前に殺されるくらいなら食ってやるよ!!」と拳を握りながら叫ぶ
『…いい子いい子。お前強くなるよ』
ゆいは口元を緩ませると、もう一度エースの口にお粥を運ぶ
その作業を何回か繰り返すうちに必然的に鍋の中は空になり、エースの腹は満たされた
それからすっかり夜の帳が下りきる頃になると、エースはうつらうつらと眠気に襲われる
『栄養は取れたんだから今度は良く寝なよ。そうすれば明日には治ってるでしょ、お前丈夫そうだし』
布団にくるまっている少年をさすってやると「まだ眠くねぇ」と蚊の鳴くような声が聞こえてきた
『早く寝ればそれだけ早く治るの。治ったら一緒に修行でもなんでも付き合ってあげるから寝な』
「……じゃあ朝一で森に行く。稽古の相手になれよ」
『相変わらず礼儀のなってない餓鬼だな。おねがいの仕方くらい分かんでしょ』
「……相手に、なれください」
ぎこちない敬語に吹き出しそうになるとゆいは大目に見て「わかった」と優しく返事した
その無条件に優しさが溢れる声に、頭まですっぽり布団にくるまったエースの頬には1粒の涙が意味もなく落ちてきた
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星猫 - そうですか。一緒に合作しませんか？もちろん、貴方の知ってるアニメで。 (2021年4月5日 18時) (
レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
爆音小僧(プロフ) - 星猫さん» すみません、ドラゴンボールもよくわからないです(T ^ T) (2021年4月5日 18時) (レス) id: 94fcd95241 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 高評価しました！一緒に合作しませんか？ドラゴンボールは知ってます？ (2021年4月5日 18時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：爆音小僧 | 作成日時：2021年4月4日 18時
