赤のパーカー、前髪長め。【渋】

♯ 誰よりも早く ♯ ページ7

・





(( 6時間目、自習 ))





テスト前で、自習になった6時間目。



いつもだったら、適当にワークやったりするんですが…



今日は、頭が痛い。





丸「え、なんで？なんでここX＝5なん？」


「…Y＝12Xだから、Yに60いれたら…」


丸「…なぁるほどぉっ♪♪」


「…はいはい、次はどこ？」





数学が苦手な丸ちゃんのワークを手伝うけど



頭の中では、ハンマーで殴られてるような



そんな音と、痛みが続いてる。



そんなこととは知らず、



渋谷くんは、国語のプリントを終わらせて



かわいい顔で寝てい……なかった。



じっ、と私を見つめてくる。





「渋谷くん…？なに？」


渋「…お前、しんどいんやろ？」


「え…」


渋「先生に言ったろか？」


「…ううん、大丈夫。ありがとう！」


渋「…おう、」





誰にもしんどいこと、言ってなかったのに



それでも、1番に気づいてくれるなんて…



…嬉しすぎて、頭痛が収まりました。←





「…さー丸ちゃん！ワーク終わらすよー！」


丸「終わらそぉー!!!!!」


渋「……ふっ(笑」





こんなに幸せな毎日に



悲劇が訪れるとは



このときは誰も思ってなかったのです。





・

♯ 用事ってなに？ ♯→←♯ 寝てたくせに ♯

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す