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「前世？」
「ああ、前世で会った事がある。俺はその時もお主に恋に落ちた」
「いや、記憶のない事を話されても」
大体、彼の言う前世の人間が私ではないかもしれないのに。
仮にそうだとして。私は前世で彼にあっていた。もし彼の容姿もこのままだとしたら。
私こんなイケメンと接触してたのか……ヤバいな。
「俺は昔、お主と主従関係にあった」
「え、なにその禁断のラブストーリー的な」
「ある意味そうだな。俺は神であったから」
「神？神、様………？」
「そうだ。と言ってもな、付喪神で神の中でも序列は低い」
「いや、神様の時点で凄いですからね」
「む？嬉しいな、そう言ってくれると」
彼は微笑んだ。柔らかい笑み。
これは確かにあんだけ彼のファンがいても可笑しくない話だ。あの笑顔で一撃必殺、なんだろう。
………いや、そんな事はどうでもいい。
それより前世の話だ。適当半分に聞いておくけれど。
「まあ、かくある理由があり俺とお主は離れ離れになってしまった」
「あらま」
「そしてその後、お主が転生しているのではないかと思い、俺も転生する事にしたのだ。一か八かの賭けだった」
「えっ、生まれ変わったって事ですか」
「うむ。そして本日、お主に出会った。やはり俺たちは運命の赤い糸で結ばれているのだと思った」
彼になにかスイッチが入ったようだ。
私の事を真剣な眼差しで見つめてくる。彼の瞳にはうっすらと三日月が浮かんでいるのが見えた。
彼の瞳に捕らわれて、私は目線を逸らすことが出来なくなる。
ジリジリと距離を詰めてくる。私は身が石になったかのように動かない。
彼が目の前に立った。距離、近し。
「好きだ、またお主の側にいたい」
「私としては遠慮願いますね」
「そう言うな。あ、照れておるのか？」
「その綺麗な顔に傷をつけてほしいと」
「ははは、野蛮な所も変わっておらんなあ」
「普段は温厚なんですけどね。誰かさんのせいでそういう発言をかましてしまいまして」
「可愛いな」と彼は呟き私の頭を撫でる。
「ってか、ナチュラルに頭を撫でないでください」
「む？ならばどこを撫でればいいのだ胸か？」
「おい」
「ははは、冗談だ」
「あなたの場合冗談に聞こえないんですが」
彼は私の頭を撫でるのをやめる。
私の手を取ると、指先に口付けを落とす。
「そう言ってられるのも今のうち、だからな」
彼の瞳に映る三日月が光った。
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです！更新頑張ります、コメントありがとうございました＊ (2018年6月8日 17時) (
レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー！いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです！これからも頑張ってください〜！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名もない茶葉 | 作成日時：2018年5月22日 1時
