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死ネタ含みます。苦手な方はご注意を
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見習いが、塀を越えて遡行軍を束ね、本丸をあとにした。あれは結局見習いじゃ無かったんだ。
皆を守れたのかな、姉は、どうしてる？
最期の挨拶って、あの子は言った。嫌な予感しかしない。予想なんて外れてほしいとしか思えない。
「ふ、み────！」
「あ、おいA！」
私は無我夢中で駆け出した。獅子王の声を振り切り、廊下を行く。障子には鮮血が散った後、柱には刀が刻まれたあと。それから倒れるもの、喚くもの、呆然としているもの。
とりあえず、皆折れていないようだ。
一つ、目に入った。庭に出来たあの輪が。
ジャリ、と土を踏むと皆がこちらを向いた。赤く目が腫れたり、顔を青くしたりしていた。
「補佐、さん」
「どうかした？とりあえず皆、無事だったみたいだね」
「皆、では無いです」
「え？」
「お願い、こっちに来ないで」
「なんで？」
「見せたくないんだ、あんたには」
「何を」
「何も、ないから」
「下手な嘘やめて」
「お願い、来ないで！！」
清光が、私の肩を押す。私はよろけて、地面にドサリと腰を打った。
その時に見えたんだ。
皆の足の隙間から、項垂れた白い腕が見えた。
予感はしていた。そんな感じが。
“最期”ってあの人が言った時から、私が遡行軍を呼んでしまった時から。
こうなってしまうのでは、と思っていた。
「その腕は、その袴は、誰、なの」
「ねえ、ふみなんでしょ？答えてよ、ふみ」
「いつもみたいに、元気に返事するんでしょ？」
「腕を振って、返事してよ、声上げてよ」
「こんなに静かなんだよ、変に。聞こえてる、筈だよね？聞こえてないなんて言わせないから」
「ふみってば！！！！」
立ち上がって、人の波をかき分けて、白い腕と袴がちらりと見えた輪の中心へ向かう。
山姥切が、姉らしき人物を抱えて俯いていた。
姿の変わった血縁者を見て、私はどうすればいいのかわからない。
何これ、誰なの
この人は、私の片割れなの？
違うよね
あれ、こういう時って涙、出るもんじゃないの？
何も出てこないや
泣くことを忘れたの？私
ああ、違うよ。
私は
この人の事を姉だと信じたくないから
泣けないんだ
絶対違うよ、こんな人、ふみじゃない
ふみなんかじゃない
知らない
知らない
知らない
ふみなんか、じゃ
「────守れなかった、すまない」
山姥切がそう言った。
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです！更新頑張ります、コメントありがとうございました＊ (2018年6月8日 17時) (
レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー！いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです！これからも頑張ってください〜！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名もない茶葉 | 作成日時：2018年5月22日 1時
