検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:57,174 hit

4 ページ36

「ごめんね、仁真ちゃん。来て早速こんなの………」

「いえいえ、家事なら慣れっこですから」

「そっか、なら良かった。確かに手際いいよね」

「はい。うち父子家庭だったので」

「あ、そうなんだ」






何も発展のない会話がダラダラと続いていく。

私と見習いは手を動かし、食器やらコップやらなんやらを洗っていた。

他の子達はというと、酔いつぶれていたり、まだチビチビと飲んでいたり。短刀達は既に兄ズに促され寝ていた。

姉もまだ飲んでいる。今日ぐらいは大目に見よう。宴会なんて久々だし。






「仁真ちゃんもう良いよ、ありがとうね」

「え、あの、でも」

「いいから。明日起きた人達に残りはやってもらえばいいし」

「はあ」

「持ちつ持たれつってこと」

「その言葉、そう使うものですか?」

「違うっけ?」

「違いますよ、多分」







そう言うと彼女は微笑んだ。柔らかい笑みで、おとなっぽい人なのだろうと思った。こんな笑みの出来る人になりたいよ。

私いっつも表情変わらないし。

厨を後にして、仁真ちゃんと別れ自室へ戻ろうと廊下を行く。

すると途中で、声が聞こえた。なんの話をしているのだろうか。耳をすませば聞いてみる事に。






「………まあな、見習いはとてもいい雰囲気の女子(おなご)だったからの」

「乗っ取りを一応警戒しておけとの事でしたが、大丈夫かと思われますね」

「そう思うことが一番危ういのであろう」

「左様ですね」





この声、多分三日月と小狐かな………
二人で優雅に月見酒でもしてるのかしら。





「…………何があっても守らねばな」

「ですね」

「俺達の大切な人、なのだから」

「三日月の場合、それだけでは無いでしょう?」

「と、いうと」

「お慕いしているのでは無いのですか?」

「……………お主にはバレてしまったか」

「当たり前です。三日月のあの方を見ている目はそれ以外に何があると。今日も用もないのに審神者部屋へ行かれたでしょう?」

「用が無かった訳では無い、話をしたかっただけだ」

「それで?成果は」

「………ははは」

「誤魔化しているようですが、桜が散っていますよ」









ビッグニュースを聞いた。

三日月、そうだったんだ。多分ふみの事、だよね。何かあると審神者部屋へ来て書類の手伝いしてくれるし、よくふみと何か二人きりで楽しそうに話しているし。

そう、だったんだ。

応援したいけど、なんでこんなに、胸が苦しいんだろう。



.

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
91人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , 三日月宗近 , 獅子王   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです!更新頑張ります、コメントありがとうございました* (2018年6月8日 17時) (レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー!いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです!これからも頑張ってください〜! (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:名もない茶葉 | 作成日時:2018年5月22日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。