ぜんせ・1 ページ33
「主、何処へ行かれるのです。まだ仕事を終えてませんよ？」
「え」
「え、と申されまし………はっ！も、申し訳ございませんA様」
「いーよ、いーよ長谷部。間違えられる事多いから」
「も、申し訳ないです、なにかお詫びを……！」
「えー……あ、じゃあ今日のおやつ私に頂戴？」
「それで宜しいのですか？」
「うん」
「そう、ですか。それでは」
「じゃ、おねーちゃんの事宜しくね」
「はい」
廊下で長谷部とすれ違う。彼は会釈をし後にした。きっと姉の居る審神者部屋へと行き、姉を監視するのだろう。
あいつ、サボり魔だからな。
私にはふみ、という姉がいる。それも双子の。二卵性双生児だから顔なんて瓜二つ。
しいて容姿で違うところがあるとすれば、姉は真ん中分け、私はそうでは無い、という所ぐらいだろうか。
髪の長さ、肌の色、髪の色、目の色も殆ど全てが同じ。性格は姉は元気ハツラツ、私は冷静。
まあ、ノリの良いところだけは姉とそっくりだけど。
姉が今度から審神者として働く事となった、と言った時。
「Aちゃんもやろうよ」
「は？私は審神者にはなれないからね？何言ってんの」
「違うよ、審神者ってのは補佐を置けるんだって。だからそれを妹にやって欲しいなぁって」
「あー………成程」
そして二つ返事で了承。
殆どその場のノリで言ったのだが、まさか本当になるとは。
そして今。実際補佐となってみて、意外と毎日充実していた。
よく仕事をサボる姉を長谷部とサポートしたり、説教したり、皆とご飯食べたり、お茶飲んだり。
ほのぼのしているだけのように思われるが、本来の本業である“遡行軍殲滅”もちゃんとしている。
ぼーっと廊下を歩く私に彼が声をかけてきた。
「Aちゃん」
「ん、乱。どうしたの」
「お手紙が届いてね、主さんと補佐さんにって」
「へー……私宛に来るの珍しいな。ありがとね」
「えへへ」
お礼として、手紙を持ってきた乱の頭を撫でる。彼は桜を散らしながら喜んだ。
笑った顔、私より女子だなこの子。男なのに。
すると彼は私の腕をグイッと引っ張る。
「Aちゃんもう仕事終わった？」
「一応」
「じゃあ来て！今兄弟みんなと鶴丸さんで穴掘ってるの」
「君ら粟田口は何してるの。いち兄に怒られるよ？」
「そのいち兄を驚かす為、さあ行こ！」
「え、ちょ」
手紙渡してこなきゃ行けないんだけど。まあ、いいか後でも。
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです！更新頑張ります、コメントありがとうございました＊ (2018年6月8日 17時) (
レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー！いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです！これからも頑張ってください〜！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名もない茶葉 | 作成日時：2018年5月22日 1時
